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» 2020年07月31日 07時00分 公開

苦戦を強いられた半導体の巨人:Intel「10nmノード」の過去、現在、未来 (1/3)

Intelは現在、10nmプロセスの進化に向けて開発を進めているが、このプロセスノードは長年Intelを苦しめてきた。10nmにおけるIntelの闘いを振り返る。

[Anton Shilov,EE Times]
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 この記事は、2020年7月17日発行の「EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版7月号」に掲載している記事を転載したものです。

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 世界最大の半導体メーカーであるならば、その地位を維持し、常に競合の一歩先を行き続けるために、野心的な目標を設定しがちになるものだ。Intelも、自社の10nmプロセス技術を軸に野心的な目標を設定したが、10nmの立ち上げが大幅に遅れた上に、ロードマップの変更を余儀なくされた。

 加えて、いくつかの戦略を再検討する羽目にさえなった。Intelは現在、10nmプロセスの進化に向けて開発を進めているが、TSMCやSamsung Electronicsが7nm、6nm、5nm、さらにはそれ以下と称するプロセスに取り組んでいることを踏まえると、Intelは現時点で一体どの位置にいるのだろうか。

苦戦を強いられたIntel

 新しいプロセス技術を開発する場合、企業は性能/電力/面積(PPA:Performance, Power, and Area)に関して一定の目標を設定する。Intelは、プロセスとマイクロアーキテクチャを2年ごとに交互に一新する「チック・タック戦略」の下、PPAの全てにわたりプロセス技術を進化させてきた。Intelは10nm(「Intel 1274」としても知られる)において、14nmと比べトランジスタ密度を最大2.7倍、性能を25%向上することを目指していた。

 Intelが公表した10nmの特長の多くは、TSMCの第1世代の7nm製造プロセス(N7)と似ているが、Intelは当初、TSMCのN7の量産開始より約2年早い2016年に、10nmデバイスの量産を始める計画だった。計画通りになっていれば、Intelは特にHPC(High Performance Computing)の領域において、競合先に対する優位性を得られていたはずだ。

IntelとTSMCのプロセスの比較

 Intelは、野心的なトランジスタ密度の向上を「ハイパースケーリング」と呼んでいたが、その後、歩留まりが予想より低く、コストが14nmより高かったことから、目標を見直すこととなった。一方で、10nmプロセスでは、「ムーアの法則」を持続させるためや、ダイサイズを小型に維持するため、そしてコストを削減するために、通常よりも積極的なスケーリングが必要となった。

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