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静止軌道衛星との5G IoTデータ接続試験に成功MediaTek製NB-IoTチップを採用

MediaTekによれば、インマルサットの静止軌道衛星とフチノ宇宙センター(イタリア)の基地局間で5G IoTデータ接続試験を行い、データを転送するフィールドトライアルに成功した。この通信テストには、MediaTek製のSoCが用いられた。

» 2020年08月24日 09時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

セルラーネットワークと衛星ネットワークの統合を加速

 MediaTekは2020年8月、インマルサット(国際海事衛星機構)の静止軌道衛星「アルファサット」とフチノ宇宙センター(イタリア)の基地局間で5G IoTデータ接続試験を行い、データを転送するフィールドトライアルに成功したと発表した。この通信テストには、MediaTek製のSoC(System on Chip)が用いられた。

 赤道上空3万5000kmの静止軌道にあるアルファサットを利用した5G NB-IoT技術は、MediaTekが開発した衛星通信対応NB(ナローバンド)‐IoTチップを用い、商用静止軌道衛星との双方向通信を可能にした。5G(第5世代移動通信)を活用したIoT(モノのインターネット)の実現に大きく近づいた。

 5G IoTデータ接続試験を行うため、MediaTekの衛星通信対応NB(Narrow Band)-IoTチップを搭載したテスト装置を台湾の情報産業研究所(III)が開発。この装置をフチノ宇宙センターの基地局に設置した。そして、アルファサットとの間で通信チャネルとデータ転送を確立することに成功した。

 MediaTekの通信システム設計担当ジェネラルマネジャーを務めるDr.Ho-Chi Hwang氏は、「インマルサットとの協業により、5G時代におけるセルラーネットワークと衛星ネットワークの統合が加速するだろう」と述べた。

 インマルサットのプロダクトグループでシニアディレクターを務めるJonathan Beavon氏も、「MediaTekの標準NB-IoTチップが、インマルサットの静止軌道衛星ネットワーク上で動作することを確認した。既存のモバイルネットワークをほとんど変更せず、静止軌道衛星上で効果的に機能することが実証された」とコメントした。

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