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» 2020年08月28日 16時42分 公開

最短15分の結果読み出しも、ams:高速、低コストな新型コロナ検査を実現するセンサー技術

amsは2020年8月27日、オンラインで記者説明会を実施。同社のスペクトルセンサー技術を用い、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の検査を高速かつ低コストにするソリューションについて説明した。

[永山準,EE Times Japan]

 amsは2020年8月27日、オンラインで記者説明会を実施。同社のスペクトルセンサー技術を用い、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の検査を高速かつ低コストにするソリューションについて説明した。

ラテラルフロー検査の課題をデジタル化で克服

 COVID-19感染確認の検査では現在、PCR検査が広く行われているが、一般的なPCR検査は非常に高感度に感染の有無を識別できる一方、費用が高額なことに加え、検体採取後のステップが多く時間がかかり現場ですぐに結果を確認できないといった課題がある。これに対し、ラテラルフロー(イムノクロマト法とも呼ばれる)検査(LFT)は、感染初期段階の検出は困難なものの、シンプルかつ低価格で設計可能/結果をより素早く提示可能/現場でも手軽に実施可能といった特長があり、既に国内外で複数の企業がこの手法を用いたCOVID-19感染の簡易検査キットを開発、提供している。

左=PCR検査とラテラルフロー検査(LFT)の比較/右=COVID-19の検査に関する各段階(クリックで拡大) 出典:ams

 今回amsが紹介したのは、このLFTを同社のスペクトルセンサー技術などを用いてデジタル化するソリューションだ。

 LFTは、テストストリップ上に患者から採取した検体を滴加し、判定ラインの色の変化によって感染の有無について判断するという仕組みだが、一般的にこの色の判別は目視で行われており、反応が薄い場合の判断が難しい場合があった。amsは、この判断を同社のスペクトルセンサーを用いてデジタル化する技術を開発。目視の場合と比べ10倍の高感度を実現したとしている(一部、ラボ等で使用されるベンチトップタイプのリーダーはあるものの、「数千米ドルする高価な機材」であり、現場での簡易な検査には適さない)

左=amsの紹介するデジタルラテラルフロー試験の利点について。デバイスの画像は、記事後半で紹介するドイツのSenovaおよびJabil Healthcareと協力したプラットフォームのものだ(クリックで拡大)出典:ams

 具体的には、可視光スペクトルを8チャンネルに分割し、高感度の色測定が可能な同社のスペクトルセンサー「AS7341L」と、LEDを組み合わせた用いたモジュールを開発。2つのLEDからテストストリップに光を当て、その反射光を計測することで感染について判断する。さらにこの反射測定のほか、蛍光マーカーとUV LEDを使用することで蛍光測定も可能といい、高感度が求められる抗原検査にも利用できる、としている。実際にこのモジュールを搭載したデモ装置での試験では、下図のように高価なベンチトップタイプのリーダーと同等の性能を確認したという。

左=左グラフは5人の専門家による参照スコアカードの評価と、デモ装置(赤が反射測定、緑が蛍光測定方式)で5回テストした場合の変動の比較。右グラフは高価なベンチトップリーダーとの性能比較/右=同装置での蛍光測定と反射測定の比較(クリックで拡大)出典:ams

 amsが手掛けるのはこのスペクトルセンサーをベースとしたモジュールの開発で、診断パートナー、ODMパートナー、エコシステムパートナーとともにデバイス化、サービス化していく予定だ。既に2020年6月にはドイツのSenovaおよびJabil Healthcareとの協業によるプラットフォームも発表。高精度で使い捨て可能かつ低コストの製品として、同10月に提供開始予定という。これは、amsのモジュールにBluetooth Low Energy(BLE)モジュールと組み合わせることで、スマートフォンアプリやクラウドアップロードへの簡単な接続が可能となっている。具体的な連携の予定はまだないものの、政府などが管理する感染症監視システムへの迅速なデータ提供も実現できるとし、「政府、公衆衛生機関へのアプローチをしている」と説明していた。

左=実現可能なソリューション例/パートナーとの協業体制について(クリックで拡大)出典:ams

 また、同年8月27日にはドイツの医療技術スタートアップmidge medicalへの技術提供を発表。検査結果をスマホから最短15分で読み出せる家庭/医療機関向けの低価格ソリューションの実現を目指している。この他にも、日本を含め広く新たなパートナーを探しているという。

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