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» 2020年09月14日 13時30分 公開

MITも新プログラムを設立:COVID-19の影響でAI開発が加速、医療や保険など (1/2)

米マサチューセッツ工科大学(MIT)のコンピュータ科学・人工知能研究所(CSAIL:Computer Science and Artificial Intelligence Laboratory)の所長を務めるDaniela Rus教授によると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、既存の問題を解決するための機械学習アプリケーションの開発が加速しているという。

[Barbara Jorgensen,EE Times]
MITのDaniela Rus教授

 米マサチューセッツ工科大学(MIT)のコンピュータ科学・人工知能研究所(CSAIL:Computer Science and Artificial Intelligence Laboratory)の所長を務めるDaniela Rus教授によると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、既存の問題を解決するための機械学習アプリケーションの開発が加速しているという。

 例えば、自動車保険業界ではチャットボットが非常に役立っているという。デジタル保険プラットフォームは、機械学習で動作し、申請者の運転履歴を調査したり、データを分析する他、保証範囲や価格に対してリスク指標を適用して、対面でやりとりせずに保険証券を発行することも可能だ。

 CSAILは、2020年8月に開催したウェビナーで、「MachineLearningApplications@CSAIL」イニシアチブを開設し、最新の機械学習技術向けのアプリケーションの開発や、機械学習を制限する要因となっている課題の調査、デジタルワークフォース向けの専門技術開発を提供していく考えであることを明らかにした。

 CSAILの研究をサポートするビジネスは、そのアプリケーションから直ちにメリットを享受することになる。チャットボットでは既に、機械学習を使用することによって、製品の推薦や、価格の最適化、システム内部での分類作成などを行っている。さらに広く見ると、企業では、機械学習を使用して省エネ化や予測分析などを行っている。

 現在、小売業者や企業にとって重大な懸念事項となっているのは、COVID-19の拡大によって対面での取引が制限されているという点だ。Rus氏は、「機械学習とAIは、ビジネスプロセスを変えていく可能性を秘める」と述べる。

CSAILは数百件のプロジェクトを手掛ける

 MITのAI関連の取り組みは、1959年までさかのぼる。MITのAI Labは、画像誘導手術の手法や、言語ベースのウェブアクセス、マイクロディスプレイ、ロボット工学など、さまざまな分野で先駆的な開発を実現してきた。CSAILは1963年に、AI LabとMITのLCS(Laboratory for Computer Science)が合併して設立された。LCSは、互換タイムシェアリングシステム(CTSS:Compatible Time-Sharing System)やMulticsを開発したことで広く知られている。

 CSAILは現在、60以上の研究グループが進めている数百件のプロジェクトに携わっているという。

 機械学習は、商取引によって自動的に生成されるデータを利用することにより、食料品店から5G(第5世代移動通信)ネットワークに至るまで、幅広い事業分野に適用できる。また、データを使用して、規則を派生させたり未来の行動を予測することも可能だ。CSAILの機械学習入門ウェビナーの中で、専門家たちが、「取引をデジタル化する機能は、健全な経済を実現する上での最優先事項とされている」と述べている。

 Rus氏は、「一般的にデータは、隔離された状態だと、ビジネスにおいて何の役にも立たない。データをどう使うかが非常に重要であるため、データのテスト/検証を行い、テストシステムがどのようなプロセスと連携しているのかを慎重に検討する必要がある。また、ユースケースについても検討し、シミュレーションの中から何を取り出すことができるのか、そしてそれを実生活の中でどのように適用することができるのかという点を考える必要がある。機械学習が間違いをする場合もあるため、機械と人間が協力しなければならない。最終的な判断の責任を負うのは、人間である」と述べる。

 CSAILとCSAILの研究を支援する企業は、その技術をできるだけ早く商用化することを目指している。Arrow ElectronicsとCisco Systems、Retail Business Services(Ahold Delhaize傘下)、SAPは、このMLイニシアチブの創設メンバーで、品質管理やサプライチェーン管理、コネクティビティ、予測などのアプリケーションを構想している。

 EE TimesはArrow Electronicsに、MITのCSAIL研究アライアンスの創設メンバーになるためにどれだけ投資したかを尋ねたが、同社からの返答はなかった。

 米国の調査会社であるIDC(International Data Corporation)によると、AIに対する世界支出は、2023年には979億米ドルに達する見通しだという。これは、2019年の375億米ドルの2.5倍以上に当たる。2018年から2023年の年平均成長率(CAGR)は28.4%と予想されるという。

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