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装着精度維持の自動化と高密度化対応がマウンタの課題福田昭のデバイス通信(269) 2019年度版実装技術ロードマップ(77)(2/2 ページ)

» 2020年09月15日 11時30分 公開
[福田昭EE Times Japan]
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キャリブレーションの自動化で装着精度を自動的に維持

 これらの要求に対応した印刷機は既に開発され、商品化されている。ここでは第1位と第3位の要求項目に対処した機能を報告する。

 第1位「搭載精度維持の自動化」では、キャリブレーションを自動化(オートキャリブレーション化)することでメインテナンスの時間を省くようになってきた。さらには、印刷機の直後とマウンタの直後に外観検査機を配置し、両者の画像と印刷機およびマウンタの画像を照合することで不良発生の兆候を検知したり、不良の発生原因を推定したりする実装ラインが登場している。

 第3位「マウンタ起因の部品ズレ、欠品への対策」では、現行品では既に対策が済んでいるとも言える。現行世代品は吸着状態の部品を撮影して吸着ミスを検出する機能や吸着ノズルの負圧をモニターして未搭載を検出する機能などを備えており、マウンタに起因する部品ズレや欠品などの不良はほぼ発生しないからだ。

 現行世代品のマウンタを使用した実装ラインに限ると、部品ズレや欠品などの原因は、はんだ不足やはんだ印刷位置のズレ、プリント配線版輸送コンベアーの機械的な振動と衝撃、リフロー装置の熱風による部品の移動などによることが多い。部品ズレや欠品などの不良はそもそも発生頻度が低いので、解析が難しいとも言える。

 ただし古い世代のマウンタでは吸着ミスや未搭載などを自動検出する機能を備えていないので、マウンタによる部品のズレや欠品などが十分に起こりうる。

マウンタ(部品搭載機)に対する要求項目に対応した事例。左は「搭載精度維持の自動化」に対応した実装ライン。印刷後の外観検査機と部品搭載後の外観検査機の画像と印刷画像、搭載画像を照合し、不良発生の兆候を検出する。右は「マウンタ起因の部品ズレ、欠品への対策」に対応した機能。吸着ノズルの負圧を監視することで、未搭載を検出する。出典:JEITA(クリックで拡大)

次回に続く

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