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» 2020年09月17日 11時30分 公開

NVIDIA CEO「買収完了に自信」、業界は懸念RISC-Vへの移行が加速?(2/2 ページ)

[Nitin Dahad,EE Times]
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RISC-Vへの移行は加速するのか

 業界には、Armの買収によって、一部の競合先が他の命令セットアーキテクチャ(特にRISC-V)へと移行するのではないかと考える向きもある。2020年8月、アナリスト企業のCCS Insightで米国リサーチ担当バイスプレジデントを務めるGeoff Blaber氏は「ArmはRISC-Vとの競争の高まりに直面している。Armのパートナーが、同社の整合性と独立性が低下したと判断すれば、RISC-Vの成長は加速し、その過程でArmの価値は下がるだろう。Armライセンシーの一部は、RISC-Vコミュニティーの一部でもあり、徐々に投資を増やしている」と語った。

 TECHnalysis Researchのプレジデント兼主席アナリストであるBob O’Donnell氏も、この買収がArmライセンシーをRISC-Vへと向かわせるとの見方が多いとコメントした。多くの人が、RISC-VをArmの潜在的な競合技術と見ているという。一方で同氏は「実のところ、RISC-Vの成功の大半は、Armの低消費電力マイコンと競合する部分におけるもので、スマートフォンやPC、サーバに用いられる、より大電力のアプリケーションでは何ら影響を及ぼしていない。徐々に脅威になる可能性もあるが、まだまだ先の話だ」とも説明した。

 これまで、「RISC-VはArmに脅威を及ぼすか」については多くの議論があった。だが、実際には、多くのチップには異なる機能を担う複数のアーキテクチャを並べて設置することができる。適切なツールとサポートを使えば、そのような異種のチップは共存が可能だ。従って、前述したような脅威は現実には存在しない。

 Huang氏は説明会で、「われわれはArmとRISC-Vの熱心なユーザーである。2つのアーキテクチャは非常に異なる。Armは豊富なエコシステムを備えたコンピューティングプラットフォームで、そこがRISC-Vとは違う。われわれは、RISC-Vをコントローラーのように製品の内部で用いている。『Maliに満足しているユーザーもいて、われわれもそれを継続していく」と語ったが、このコメントによって議論は激しくなっている。

“プランB”はあるのか

 それでは、何らかの規制上の障害などにより、Armの買収が実現しなかったらどうなるのだろうか。Huang氏は「プランBはあるのか?」と問われた。これに対し同氏は、「プランBは、現状(NVIDIAがArmを買収していない状況)を維持することだ。だが、今回の取引はArmとNVIDIAにとって、世界で最もエネルギー効率の高いコンピューティング能力を生み出す一生に一度のチャンスだ。それが、NVIDIAが最高入札者であった理由でもある。私はプランA(=今回の取引)が実現すると確信している。われわれの組み合わせは、顧客に寄り添ったものだ。規制当局も支持してくれるだろう」と述べた。

 Segars氏は「ソフトバンクは、Armを最大限にサポートしてくれた。当社の製品ポートフォリオは、4年前よりも格段に広がった。NVIDIAの下でも、AIコンピューティングのビジョンの実現に向けて進んでいけると考えている」と語った。

【翻訳:青山麻由子、滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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