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» 2020年09月18日 10時30分 公開

福田昭のデバイス通信(270) 2019年度版実装技術ロードマップ(78):リフローの温度バラツキを10℃以内に縮める (1/2)

前回に続き、実装設備に要求する項目のアンケート結果を紹介する。今回は「リフロー(リフローはんだ付け装置)」に対する要求と対策を説明する。

[福田昭,EE Times Japan]

リフロー装置への要求項目とその順位をアンケートで調査

 電子情報技術産業協会(JEITA)が発行した「2019年度版 実装技術ロードマップ」に関する完成報告会(2019年6月4日に東京で開催)と同ロードマップの概要をシリーズでご報告している。今回はその第78回である。

 本シリーズの第3回から第22回までは第2章「注目される市場と電子機器群」の概要、第23回から第30回までは第3章「電子デバイスパッケージ」の概要、第31回から第63回までは第4章「電子部品」の概要、第64回から第72回までは第5章「プリント配線板」の概要を説明してきた。

2019年6月4日に東京で開催された「2019年度版 実装技術ロードマップ」完成報告会のプログラム。本シリーズの第73回から、第6章「実装設備」(プログラムの10番)の概要を紹介している。出典:JEITA(クリックで拡大)

 第73回からは、第6章「実装設備」の内容を解説している。第76回からは、実装設備のユーザー(セットメーカーやモジュールメーカー、アセンブリ受託企業)が実装設備に要求する項目を、JEITAがアンケート調査した結果を報告している。第76回は「印刷機(スクリーン印刷機)」に対する要求と対策の事例を、前回は「マウンタ(部品搭載機)」に対する要求と対策の事例をご報告した。今回は「リフロー(リフローはんだ付け装置)」に対する要求と対策を説明する。

第6章「実装設備」の概要。ロードマップ本体から筆者がまとめた。下線部は今回で扱う部分(クリックで拡大)

フラックス回収のメンテナンスフリー化は改善が必要

 「リフロー(リフローはんだ付け装置)」のアンケート調査では、355件の回答を得た。前回版(2017年度版 実装技術ロードマップ)の333件からは22件増えた。

 要求項目で重要度が最も高かった(回答点数の合計が最も高かった)のは、「基板面内温度バラツキ±5℃以内」である。前回版では第5位だったが、今回はトップにランクアップした。国・地域別では中国と南アジアでトップ、日本と韓国で第3位となっている。

 最近の実装プリント基板には極めて小さなチップ部品と大型のコンデンサー、モジュール基板、BGAパッケージなどが混在している。小さな部品は熱容量が小さく、温度が上昇しやすい。大きな部品は熱容量が大きく、温度が上昇しにくい。従って大型部品の加熱温度の調整が粗いと、小型部品の温度が上がり過ぎてしまう。温度バラツキとは、大型部品と小型部品の温度差だともいえる。基本的にはリフロー装置の加熱力を上げることが、温度バラツキの低減につながる。

リフロー(リフローはんだ付け装置)に対する要求項目の重要度ランキング(第1位〜第4位と第6位、第11位)。出典:JEITA(クリックで拡大)

 重要度の第2位は「フラックス回収などのメンテナンスフリー」である。前回版のトップからランクダウンしたものの点数の差はわずかであり、依然として要求が強い。国・地域別では日本と韓国、欧州・ロシアでトップ、中国で第2位となっている。

 はんだペーストに含まれるフラックスはリフロー装置内で揮発し、リフロー装置の内部に付着する。付着したフラックスが堆積するとプリント基板に落下して不良の原因となりかねない。このような事態を防ぐため、リフロー装置はふつう、フラックスを回収する機構を備えている。しかしアンケート結果を見る限りは、ユーザーが要求する水準には達していないことがうかがえる。

 第3位は「高機能マシンの低価格化」である。前回版の第4位から順位を1つ上げた。第4位は「基板反りへの対応、炉内で基板が反らない」である。前回版の第2位から順位を2つ下げた。第5位は「省電力化(高気密性、高熱効率など)」である。前回版の第3位から順位を2つ下げた。なお第1位から第5位までは合計点数の差が少なく、重要度については大きな差は無いといえる。

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