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» 2020年10月08日 10時30分 公開

福田昭のデバイス通信(275) 2019年度版実装技術ロードマップ(83):接合材料に対する要求項目のランキング

ロードマップ第6章「実装設備」の第4節「実装技術動向」を説明するシリーズ。今回は、「接合材料」に対するユーザーの要望を調査した結果を紹介する。

[福田昭,EE Times Japan]

はんだペーストや導電性接着剤などに対する要求をランキング化

 電子情報技術産業協会(JEITA)が発行した「2019年度版 実装技術ロードマップ」に関する完成報告会(2019年6月4日に東京で開催)と同ロードマップの概要をシリーズでご報告している。今回はその第83回である。

 本シリーズの第3回から第22回までは第2章「注目される市場と電子機器群」の概要、第23回から第30回までは第3章「電子デバイスパッケージ」の概要、第31回から第63回までは第4章「電子部品」の概要、第64回から第72回までは第5章「プリント配線板」の概要を説明してきた。

2019年6月4日に東京で開催された「2019年度版 実装技術ロードマップ」完成報告会のプログラム。本シリーズの第73回から、第6章「実装設備」(プログラムの10番)の概要を紹介している。出典:JEITA(クリックで拡大)

 第73回からは、第6章「実装設備」の内容を解説している。第76回から第80回までは、実装設備のユーザー(セットメーカーやモジュールメーカー、アセンブリ受託企業)が実装設備に要求する項目を、JEITAがアンケート調査した結果をご報告してきた。第6章の第3節に対応する部分だ。

 前々回からは第6章第4節に対応する部分の概要をご説明している。タイトルは「実装技術動向」である。この節は第1項「部品対応力」、第2項「プリント配線板対応力」、第3項「部品供給方式への対応」、第4項「接合材料」、第5項「封止材料」で構成される。前々回(第81回)は第1項「部品対応力」の概要を、前回は第2項「プリント配線板対応力」と第3項「部品供給方式への対応」の概要をご報告した。今回は第4項「接合材料」の概要をご説明する。

第6章「実装設備」の概要。ロードマップ本体から筆者がまとめた。下線部は今回で扱う部分(クリックで拡大)

経時変化の少ないはんだペーストを強く要求

 第4項「接合材料」では、第6章第3節の「実装設備に対する要求経過と今後の動向」と同様に、JEITAがユーザーから接合材料(はんだペーストや接着剤など)への要求項目をアンケート調査した結果を報告している。回答者総数は282件である。

接合材料に対する要求項目のアンケート結果(概要)。出典:JEITA(クリックで拡大)

 重要度のトップは、「経時変化の少ないはんだペースト」であり、前回版(2017年度版 実装技術ロードマップ)と同じだった。はんだペーストは通常、冷蔵庫内で密封して保管しなければならず、使用期限が6カ月とかなり短い。この制限はユーザーの神経をかなり使わせる。

 経時劣化を生じたはんだペーストは、外観からは良品のはんだペーストと区別がつかない。実際にはんだ付けのラインを通してから、劣化していることが分かることもある。さらに、はんだペーストを密封した袋から開封して印刷機に載せると、常温の大気(酸素)に曝される。こうなると劣化の進行が早まるので、なるべく短い時間ではんだペーストを使い切ってしまうことが求められる。

 第2位は「フラックス飛散の無いはんだペースト」である。この項目の順位も前回版と変わらない。フラックスの飛散は、はんだペーストをリフロー装置内で加熱する工程で起こる。フラックスが飛散してコネクター電極やセンサー・アクチュエータ内部、イメージセンサー撮像面などに付着すると、不良を引き起こす。このため低飛散タイプのはんだペーストが開発されている。

 なお、はんだペーストは劣化すると湿気を含むことが多い。この湿気がリフロー加熱によって水蒸気となり、フラックスを飛散させる。このことからも、はんだペーストの扱いには注意しなければならない。

 重要度の第3位は「継手部にボイドの発生しない接合材料」である。チップ部品の小型化とバンプピッチの微細化によって接続箇所当たりのはんだ量が減少し、相対的にボイドの占める体積が増大しつつある。このため、ボイドの発生がクラックを進展させ、接合の信頼性を低下させる。最近ではフラックスの改良によってボイド発生を抑制したはんだペーストが登場した。

 このほか、第4位は「低コスト化(低銀化ペースト)」、第5位は「環境対応材料」、第6位は「ハロゲンフリーで濡れ(ぬれ)のよいはんだペースト」、第7位は「容易な保存環境」、第8位は「熱膨張係数(CTE)差の大きい部品の接合部の応力緩和機能を有した接合材料」、第9位は「低温はんだ」、第10位だけは2項目あり、「次世代導電性接着剤(拡散層形成型/はんだとの融合材料/熱可塑性)」と「低温高速硬化リペアラブル接合材料」となっている。

(次回に続く)

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