村田製作所は、実装面積が小さく、電圧変換効率も高い薄型DC-DCコンバーターモジュール「UltraBK MYTNシリーズ」を発売した。
村田製作所は2020年10月、実装面積が小さく、電圧変換効率も高い薄型DC-DCコンバーターモジュール「UltraBK MYTNシリーズ」の販売を始めた。PCIeカードや、AIアクセラレーターカード、HPC、基地局用装置などの電源用途に向ける。
新製品は、これまで蓄積してきた電源回路技術やパッケージ技術に加え、子会社であるpSemiが持つ独自のプロセス技術と高い電圧変換効率を実現する回路技術を組み合わせて開発した。具体的には、独自のチャージポンプ技術と従来のDC-DCコンバーター回路を融合した新方式「2ステージアーキテクチャ」を採用。「世界最小の実装面積と世界最高の電圧変換効率を実現した」という。
新方式は、入力電圧を小刻みの電圧ステップで降圧する。このため、スイッチングロスが小さく効率の良い低耐圧FETを用いることができる。こうして降圧した電圧がDC-DCコンバーター回路の実質的な入力電圧となるため、入力と出力の電圧差によるデューティサイクルの課題も解決した。入力電圧は12V、出力電圧は1.8Vで、ピーク電圧変換効率は90.0~90.5%を実現している。
新製品は、電源ICの他、インダクターやコンデンサーなど必要なデバイスをワンパッケージに集積した。外形寸法は10.5×9.0mmで厚みはわずか2.1mmである。周辺回路を含めた総実装面積は143mm2で、一般的な製品に比べるとほぼ半分の実装面積で済むという。ノイズも従来品に比べて約20dB低減した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.