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» 2020年12月14日 10時00分 公開

DC-DCコンを内蔵し1ICで2ポートを制御:本格的なUSB Type-C時代をもたらす新世代の車載用最新USBコントローラに迫る

USB Type-C/USB Power Delivery(USB PD)は急速に普及が進み、今後自動車でも採用数が増えていくことが予測される。USB Type-Cがあらゆる機器の標準的なインタフェースになるに従い、自動車に搭載されるUSB Type-Cポートの数は、より一層増えていく見通しだ。まもなく到来するであろう、より本格的な自動車におけるUSB Type-Cの時代に向けて、インフィニオン テクノロジーズが2021年春の発売に向け、開発を進めている新世代の車載用最新USBコントローラを紹介する。

[PR/EE Times Japan]
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 裏表のないリバーシブルコネクターで、最大40Gビット/秒 (USB4 Gen3時) のデータ転送速度を誇り、HDMIやDisplayPortなど異なる通信規格のデータも送受信可能。さらには、最大100Wの受給電も行える――。USB Type-C/USB Power Delivery(USB PD)の特長は、あらゆるアプリケーションで普及した今となっては、説明不要だろう。USBといえば、USB PDに対応したUSB Type-Cということがほぼ常識になりつつある。

 例えば、ほとんどのPCがUSB Type-Cポートを備え、USB Type-Cポートしか持たない機種も徐々に増えつつある。スマートフォンの多くも、USB Type-Cコネクタを搭載しデータ転送および、充電をUSB Type-Cを介して行っている。またスマートフォンのチャージャー(充電器)側もUSB Type-Cポートを備えるようになり、スマートフォンの機種、チャージャーの種類を問わず、USB Type-Cという標準規格を通じて自由な組み合わせで、使用できるようになった。そのため、かつては必ずスマートフォンに同梱されていたチャージャーだが、1つのUSB Type-C対応チャージャーでいろいろなスマートフォンを充電できるようになったため、次第に同梱されなくなってきている。チャージャー側のコネクタとしてUSB Type-Cを採用するApple製スマートフォン「iPhone」でも、2020年10月発売の最新モデル「iPhone 12」シリーズからチャージャーの同梱を取りやめている。それほどに、USB Type-Cは標準インタフェースとして普及してきたわけだ。

 PC、スマートフォンを中心にUSB Type-Cが普及したため、PC、スマートフォンを取り巻く周囲のさまざまな機器/システムもUSB Type-Cポートを搭載するようになっている。例えば、クルマも今後はUSB Type-Cポート搭載が当たり前になってくるだろう。

自動車でもUSB Type-C/PDの普及が急速に進展

 クルマでのUSBポート搭載は、デジタルオーディオプレーヤーやスマートフォンの普及とともに始まり、当初は、ヘッドユニット部分にUSB Type-Aポートを搭載する形で始まった。そして、HDMIやDisplayPortなどのデータも転送可能なオルタネートモードを備えたUSB Type-Cの登場により、ヘッドユニットやリアシートディスプレイなどにUSB Type-Aポートとともに、USB Type-Cポートが搭載されるようになった。さらには、スマートフォンなどの機器を充電するための充電専用ポートとしても、Quick Chargeなどの各種急速充電規格に対応するUSB Type-Aと並んで、今後はUSB PDに対応したUSB Type-Cポートが搭載されるということも珍しくなくなるであろう。

自動車におけるUSB Type-C/PDの搭載イメージ

 1996年以来、長くUSBコントローラ市場でトップシェア*)を誇るインフィニオン テクノロジーズ(旧サイプレス セミコンダクタ)でも、車載専用のUSB Type-CコントローラIC「CCG3PA CYPD319x」を2019年から出荷開始し、自動車分野でのUSB Type-Cの普及を支えてきた。

*)Gartner 2018、IHS 2016の市場調査レポートおよびインフィニオン独自調査

サイプレス セミコンダクタ, An Infineon Technologies Company パワー&センサーシステムズ事業部ワイヤードコネクティビティソリューション部 マーケティング ディレクター 山田祥之氏

 インフィニオン テクノロジーズ日本法人でUSB関連製品のマーケティングを担当する山田祥之氏は「CCG3PA CYPD319xは、1つのICでUSB PDや各種急速充電規格に対応するUSB Type-CポートとUSB Type-Aポートをコントロールできるなどの特長を有し、自動車でUSBポートが必要とされるヘッドユニット、リアシートディスプレイ、チャージャーという3つの用途それぞれに適合するソリューションを提供してきた」とする。

 「スマートフォンやPCなど数多くの機器のインタフェースが、急速な勢いでUSB Type-Cに統一されつつあり、自動車のUSBポートも同じようにType-Cに統一する機運が高まりつつある。特に、欧州、中国の自動車メーカーからの要望が強い。そこでインフィニオンとしては、USB Type-Cに特化し、最新の自動車ニーズに応える新世代の車載用USB Type-Cコントローラを開発している」と明かす。

より本格的な自動車でのType-C/PD対応に向けた新世代品

 CCG3PA CYPD319xの後継になるこの新世代車載用USB Type-Cコントローラは、1つのICでUSB PD対応Type-Cポートを2つ制御できるようになる。さらに従来は別チップ構成だったDC-DCコントローラ部を内蔵し、システムの小型化、低コスト化にも貢献する。

新世代車載用USB Type-Cコントローラ製品のブロック図と主な特長

 「自動車/電装品メーカーのニーズを取り入れて仕様を決めた」(山田氏)という内蔵DC-DCコントローラは、スペクトラム拡散機能やフェーズスキップモードを備え、150kHz〜600kHzの範囲でスイッチング周波数を選択できるプログラマブルなDC-DCコントローラであり、特殊なノイズ対策を行わずに使用できる。山田氏は「詳細はまだ明かせないが、効率についても高い水準を達成できる見通し。新世代品を使用すれば、DC-DCコンバータ2個とUSB PD対応Type-Cコントローラ2個分をワンチップにインテグレートし、コスト、実装面積の観点から大きな削減が可能になったので、期待してほしい」という。

 さらに「インフィニオンでは、パワーMOSFETなども自社で取りそろえており、USBコントローラと最適なFETを組み合わせたシステムをワンストップで提案できるという強みがある。新世代USBコントローラもインフィニオンとしての強みを生かしたシステムソリューションとして提案できるだろう」とする。

 新世代品は、車載機器におけるUSB PDロゴ認証で必須機能になる「ダイナミックロードシェアリング機能」に対応している点も特長だ。

ダイナミックロードシェアリング機能のイメージ

 ダイナミックロードシェアリング機能とは、2つのUSBポートへの出力を状況に応じて、調整する機能だ。例えば、2つのポートで合計100Wの出力を備えているチャージャーに、60Wの充電を希望する2台のPCを接続した場合、20Wの電力が足りない状態になる。このとき、ダイナミックロードシェアリング機能がなければ、先にUSBポートに接続したPCに60Wが供給され、後から接続したPCには20Wまたはそれ以下のパワーしか供給されない状態になる。後から接続したPCの充電速度が遅くなってしまうが、エンドユーザーから見れば、なぜ2台のPCが同じ速度で充電されないのかが分からず、不便を感じることになるだろう。

これに対し、ダイナミックロードシェアリング機能は、あらかじめ決めた割合で、2つのポートで供給能力を配分(シェア)することが可能になる。例えば、100Wの供給能力を1:1でシェアすると決めていた場合、先の例であれば2台のPCにそれぞれ45W (ex.15V/3A)ずつ供給するというもの。供給能力の配分は、自由に決定できる他「配分割合をダイナミックに変更することも可能。エンドユーザーがボタン操作や音声操作などで、充電を優先するポートを切り替えるといったシステムも構築できる」という。なお、ダイナミックロードシェアリング機能は、CCG3PA CYPD319xなど従来のインフィニオン製USBコントローラ製品の多くに搭載されている機能で「もともとは、インフィニオン独自の機能だったが利便性が高く好評で、結果的にUSB規格にも取り入れられ、標準的な機能になった」(山田氏)という。

最新ニーズに応える多彩な独自新機能

 新世代品は、ダイナミックロードシェアリング機能のようにUSB規格の先を行くようなインフィニオン独自の新機能もいくつか搭載する。その1つが「ブラックボックス機能」だ。「自動車メーカーからの要望に応える形で搭載した」(山田氏)というこの機能は、「USBポートへの挿抜回数」や「過電圧/過電流/過熱保護機能が働いた回数」など任意の使用ログを取得し、保存するもの。フィールドでのUSBポートの使用状況を把握できるので、次の開発に生かしたり、故障発生時の原因究明に役立てたりすることができる。

新世代車載用USB Type-Cコントローラ製品が搭載する主な機能

 また新世代品は、新たにファームウエアアップグレード用セキュア認証機能を搭載した。インフィニオン製USBコントローラは、プログラマブルで、出荷後もフィールドでファームウエアの書き換えが行え、新機能を追加することができる特長を備える。「OTA(Over The Air)でのファームウエア書き換えを模索する自動車メーカーが増えつつあり、より安全な形で書き換えができるよう、新世代品では、暗号鍵を使用した認証機能を実装して、セキュアなファームウエア書き換えが実現できるようになる」(山田氏)という。

 その他、入出力電圧や温度に応じて出力を任意に変更できる「出力スロットリング機能」も搭載する。同機能は、例えば80℃以上になれば、出力を50%に低減し、90℃以上になれば15Wに低減、105℃を超えれば出力を遮断し、温度が下がれば出力を再開させるという具合に設定でき、安全性を担保しながら、最大限充電を継続させることができる。「この機能を使えば、アイドリングストップやコールドクランクで生じる入力電圧低下に対しても、ユーザの要求に柔軟に対応することが可能になる。また、高温時の高パワー出力という危険な状態を回避しながら効率よく充電を行うことができる」(山田氏)という。

出力スロットリング機能の概要

 このようにインフィニオンの新世代車載用USBコントローラICは、USB Type-C対応を本格化させている自動車市場のUSBに対する最新ニーズに応える形で開発が進められており、2021年春には提供が始まる見通しだ。新世代車載用USBコントローラICの登場で、自動車でのUSB Type-C/USB PDの普及はより一層加速することになるだろう。

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提供:サイプレス セミコンダクタ, An Infineon Technologies Company
アイティメディア営業企画/制作:EE Times Japan 編集部/掲載内容有効期限:2021年1月13日

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