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» 2021年01月05日 15時00分 公開

SamsungとIntel、5G SAコア性能で305Gbpsを達成通信機器で優位性確立へ

Samsung Electronics(以下、Samsung)とIntelが、5G(第5世代移動通信)スタンドアロン(SA)コアのデータ処理性能において、飛躍的な向上を実現した。両社によると、商用ネットワークの構成において、サーバ1台当たり305Gビット/秒(bps)を達成したという。

[John Walko,EE Times]

 Samsung Electronics(以下、Samsung)とIntelが、5G(第5世代移動通信)スタンドアロン(SA)コアのデータ処理性能において、飛躍的な向上を実現した。両社によると、商用ネットワークの構成において、サーバ1台当たり305Gビット/秒(bps)を達成したという。

 Samsungの発表によれば、305Gbpsという性能は、20万人のユーザーが同時にSD(標準画質)の動画をストリーミングするのをサポートできる能力に相当するという。

 今回の処理性能は、Intelの「第2世代Xeonスケーラブル・プロセッサ 8280」の他、同社のイーサネットネットワークアダプター「E810」も採用するなどして実現に至ったという。E810は、改良版のDDP(Dynamic Device Personalization)機能を備えている。データ処理では通常、パケット分布やトランスミッション、処理コアなどの複数のコアを使った複雑なパスを必要とするが、DDPはそれを簡素化することが可能だ。

 Samsungは、「業界では既に、NSA(Non Stand Alone)ネットワーク構成において5G NR(New Radio)を導入したことで、どのように性能を向上することが可能であるかを理解している。しかし、5Gの潜在能力を完全に解き放ち、現在準備が進められている新しい魅力的なユースケースの実現に向けてサポートしていくためには、ネットワーク全体を5G SAにアップグレードする必要がある。こうしたユースケースの例としては、URLLC(Ultra-Reliable and Low Latency Communications/超高信頼低遅延)や、固定ワイヤレスアクセス、工業制御などが挙げられる」と述べている。

 このため今後、4Gネットワークインフラ全体を、新しいサービスベースアーキテクチャ(SBA:Service Based Architecture)にアップグレードしていく必要がある。

 Samsungのシニアバイスプレジデントであり、コアソフトウェア研究開発ネットワーク事業部門の責任者を務めるSohyong Chong氏は、パケット処理およびネットワーク性能の向上を達成したことについて、「当社のクラウドネイティブ5G SAコアは、その優れた柔軟性と拡張可能な設計により、顧客企業の5Gサービス展開をより迅速かつ高いコスト効率でサポートすることが可能だ」と述べている。

 Samsungは2020年11月に、韓国の大手通信事業者KTとの協業を発表した。これにより、5G SAコアをNSAモードと組み合わせて商用化していくための手段として、各種ネットワークにCUPS(Control and User Plane Separation)ソリューションを導入していきたい考えだとしている。この汎用コアは、両方のモードだけでなく、4Gも組み合わせることが可能なため、5G SAへの移行を大幅に簡素化することが可能だという。

 Samsungは、「われわれは、5G SAの性能向上を実現したことにより、主流派となる5Gの世界的な展開において、迅速に多大な影響力を持つことができると確信している。特に、安全保障上の懸念を理由に、中国メーカーによるコアインフラ製品の供給が禁じられている分野において、Huaweiに取って代わることも可能になるだろう」と主張する。

 Samsungはこれまで、5Gインフラ分野に関しては、米国ではVerizonと協業している他、カナダやニュージーランドなどでも大きな成功を収めているが、欧州ではあまり目立たない存在だった。

 Samsungにおける最大の弱みは、同じプラットフォームで前世代のセルラーネットワークにも対応できる、設置済みのレガシーインフラが(Huaweiに比べて)少ない点だろう。だが2020年初頭、Samsung Networksの欧州担当責任者であるThomas Riedel氏は、「欧州の一部の通信事業者の間では、5G移行に伴い、『サイトごとにベンダー1社のみ』という要件にこだわらないようにする動きがみられる」と指摘する。

 ここで鍵となるのは、あるベンダーの4G機器と、別のベンダーの5G機器を接続する「X2」インタフェースだ。X2インタフェースは3GPPによって標準化されてはいるが、現時点でX2を実装しているオペレーターはほとんどいない。だが新興勢力のオペレーターにとっては、このX2インタフェースが、市場参入の“味方”となる可能性がある。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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