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» 2021年01月26日 10時00分 公開

ソニーの新イメージセンサー開発拠点「大阪オフィス」の現状とこれからすでに世界初に挑戦中!

ソニーセミコンダクタソリューションズにとって初めての関西地区におけるイメージセンサー設計開発拠点「大阪オフィス」がまもなく開設1年を迎えようとしている。スマートフォン向けCMOSイメージセンサーの設計能力拡充を目的に開設された大阪オフィスの現状とこれからについて、同拠点の統括担当者にインタビューした。

[PR/EE Times Japan]
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 ソニーセミコンダクタソリューションズ(SSS)は2020年4月に新たなイメージセンサーの設計開発拠点「大阪オフィス」を大阪・中之島にオープンした。世界的に需要拡大が続いているスマートフォン向けCMOSイメージセンサーの設計開発能力を拡充し、製品ラインアップの拡充を図ることを目指し、同社として初めて関西地区での開発拠点設置に至った。

 開設からまもなく1年を迎えようとしている今、SSS大阪オフィスの立ち上げはどの程度進んでいるのか。同社大阪オフィスを統括する吉田正氏(モバイル&センシングシステム事業部 統括部長)に今後の拡張計画なども交えてインタビューした。

ソニーセミコンダクタソリューションズ モバイル&センシングシステム事業部 統括部長 吉田正氏

イメージセンサーの世界的需要増に追い付くために

――大阪に設計開発拠点を新設された狙い、経緯について教えてください。

吉田正氏 ソニーセミコンダクタソリューションズグループの主力商品であるイメージセンサーは、ご存じの通り、世界的に需要が急拡大している。スマートフォン1台当たりの搭載個数が増加しているのに加え、自動車をはじめとした新しい用途での利用も広がっているためだ。

 ソニーグループとしても積極的に投資してイメージセンサーの増産体制の構築を図っているが、需要拡大のスピードはとても速い。特に、開発設計リソースの確保は、需要拡大に追い付くための重要課題の1つになっている。

 これまでソニーセミコンダクタソリューションズグループの設計開発拠点は、神奈川県厚木市のソニーセミコンダクタソリューションズ本社とソニーLSIデザイン福岡事業所(福岡市)の2カ所で展開してきたため、関東地区と九州地区を中心にしてエンジニアリソースを確保してきた。ただこの2地区だけでは、イメージセンサーの需要拡大に追い付くことがかなり難しくなってきたため、大阪オフィスを2020年4月に立ち上げ、関西地区の優秀なエンジニアリソースの活用を始めたわけだ。

ソニーセミコンダクタソリューションズグループ関連拠点。設計開発拠点は、本社(神奈川県厚木市)、福岡事業所(福岡市)に続き3拠点目で、関西地区では初の拠点だ 出典:ソニー

――エンジニアの採用は順調ですか。

吉田氏 とても順調だ。オフィス開設を決めた当初は、初年度のエンジニア数としては50人程度ともくろんでいたのだが、結果的にはその2倍程度の速度で優秀なエンジニアを集めることができている。

 2020年末現在、約100人が大阪オフィスで勤務し、うちサポートの数人をのぞいたほとんどがエンジニアだ。エンジニアのうち、厚木本社および、福岡事業所からの異動者は10人ほど。残りは、大阪オフィスで新たに集結した人材という構成になっている。

半年前倒しで本格的な商品開発に着手

――現時点(2020年末)での大阪オフィスの業務内容を教えてください。

吉田氏 スマートフォン向けイメージセンサー商品の画素設計、回路設計を大阪オフィスで担っている。

 当初は、本格的な商品設計の着手は、開設1年後ぐらいからを予定していた。だが、優秀なエンジニアを順調に採用できたため、半年前倒しして、2020年10月から本格的な商品設計をスタートできた。

――本社や福岡事業所で実施している商品設計のサポート業務というわけではないのですね。

吉田氏 画素設計と回路設計については、大阪オフィスが主体になって、自律的に設計、開発しており、他拠点のサポートではない。順調に開発が進めば“世界初のイメージセンサー”になるような、挑戦的な開発を進めている。そういう意味でも、本社や福岡事業所でも取り組んでいない本格的な商品開発が計画よりも早く実施できている。

――本社や福岡事業所で築かれてきたノウハウを導入したことで、短期間で商品設計を担える体制を構築されたのでしょうか?

吉田氏 ソニーとしての基本的な手法などは取り入れているが、全面的に本社や福岡事業所の“コピー”を大阪に作ろうとしているわけではない。

 本社や福岡事業所は長くイメージセンサーを開発しており、しっかりとした“型”のようなものがある。大阪オフィスは、そうした“型”を単にまねるのではなく、自分たちの“型”を自分たち自身で作ろうとしている。

 最新のスマートフォンには前面、背面に計6つのイメージセンサーが搭載されることもあるが、それぞれが異なる特長を持つ複数のセンサーが搭載される。だからこそ、大阪オフィスに集ったエンジニアの多様性を生かし、本社や福岡事業所とは異なる個性、独自の“型”を持つ拠点として、ソニーグループに貢献したいと考えている。

創造力を目指した独自のオフィス作り

――現状の大阪オフィスはどのような“個性”を持った拠点になっていますか。

吉田氏 さまざまな経歴を持ったエンジニアが集まっているため、とても多様性のある拠点になっていると思う。本社や福岡事業所は、同じ方向のベクトルを持つエンジニアが集まり、大きなベクトルを形成しているイメージだが、大阪オフィスに関しては、エンジニアそれぞれのベクトルはさまざまな方向を向きつつも、大きな1つのベクトルになっているイメージ。他の拠点と雰囲気は大きく異なると感じている。

 また、コミュニケーションが本当に活発なオフィスになっている。オフィスのあちこちで、すぐに議論が始まりにぎやかな雰囲気になっている。先日、厚木の本社に戻る機会があったのだが、本社オフィスがとても静かに感じられた(笑)。

――コミュニケーションを取りやすいオフィスなのですね?

吉田氏 良いイメージセンサーを設計するのに必要な創造力を高めながら、生産性の良いソニーらしいオフィスを作るというテーマで、若手エンジニアにオフィスを設計してもらった。その結果、「Activity Based Working」(アクティビティ・ベースド・ワーキング/ABW)という考えを取り入れ、仕事の内容や気分に応じて働く空間を自由に選べるオフィスレイアウトを採用することになった。

大阪オフィスの様子。左がオフィス、右がカフェエリア

 効率性を考えた場合、他の拠点のようにアナログやロジック、画素というような担当別にエンジニアがまとまって仕事をした方がよい。ただ、生産性が高まる一方で、新しい発想、画期的なアイデアは生まれにくくなる。そこで、ABWという考えを取り入れた。

 現状のオフィスには、会話や情報交換しながら作業できるスペースや1人で集中して業務に取り組むためのスペースなどさまざまな空間が用意されている。そのため、コミュニケーションをとりたい時に、アナログ設計やロジック設計、画素設計などチーム/部署の垣根なく気軽に会話できる環境があり、コミュニケーションの活発化につながっている。

気軽にコミュニケーションが図れるミーティングエリア ※コロナ禍以前に撮影

活躍する多様な人材

――現状、大阪オフィスで活躍されている人材とはどのような方でしょうか。

吉田氏 まず即戦力として活躍いただいているのが、イメージセンサーの開発経験者の方々。ソニーで世界最先端のイメージセンサーを作りたいということで、関西地区のメーカーから移ってきていただいた方が多い。これまでの経験を生かしてもらっているだけでなく、ソニーの手法についても“そもそもどうしてこのような手法を採っているのですか”と根本的な疑問も投げ掛けてもらうことで、元々ソニーに在籍したエンジニアも刺激を受けるなど、さまざまな良い相乗効果も生まれている。

 イメージセンサー開発に携わった経験のない方も多く活躍いただいている。特に、関西地区では大規模LSIの設計開発に携わっていた方が多く、そうした方々はイメージセンサーの回路に関する知識もすぐに吸収されて、即戦力として活躍されているケースが多い。なかには、まったく半導体の設計開発の経験がない方も活躍している。

 活躍しているエンジニアに共通することは、全般的に好奇心が強く、主体性を持っていろいろと周囲に話を聞き、知識、ノウハウを効率的に吸収するタイプの方ということ。周囲とコミュニケーションが図りやすい大阪オフィスの環境や風土がうまく合致していると思っている。

自立した拠点へ

――大阪オフィスとしての今後の計画を教えてください。

吉田氏 イメージセンサーの需要増に応えるためにも、エンジニアの採用は積極的に行っていく。現状のアナログ回路/ロジック回路/画素設計だけでなく、商品企画から製造サポートや顧客サポートまで、イメージセンサー開発の全てのプロセスを大阪オフィスで一貫して実施できる開発体制の構築を目指している。

 そう遠くない将来には、スマートフォン向けイメージセンサーを同時に複数の商品、企画開発できる拠点を目指す。規模こそ及ばないが、本社や福岡事業所と同様の“自立した拠点”になる。

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提供:ソニー株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EE Times Japan 編集部/掲載内容有効期限:2021年2月25日

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