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ルネサス、16ビットマイコン「RL78/G23」量産消費電力を低減し周辺機能も強化

ルネサス エレクトロニクスは、8/16ビットマイコン「RL78ファミリー」として、16ビット汎用マイコン「RL78/G23」の量産を始めた。従来品に比べ消費電力を低減し、周辺機能も拡充した。

» 2021年04月14日 10時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

最大768kバイトのフラッシュメモリ搭載品も用意

 ルネサス エレクトロニクスは2021年4月、8/16ビットマイコン「RL78ファミリー」として、16ビット汎用マイコン「RL78/G23」の量産を始めた。従来品に比べ消費電力を低減し、周辺機能も拡充した。

 RL78/G23は、RL78/G13を中心とした汎用RL78マイコンの後継製品と位置付ける。現行製品との互換性を維持しつつ、新たなプロセスの採用などにより低消費電力を実現した。CPUコア動作時の消費電流は44μA/MHz、STOP(4KバイトのSRAM保持)時は210nAである。

 新たにSNOOZEモードシーケンサー(SMS)を搭載した。これにより、間欠動作を行う用途では、CPUを起動しなくても周辺機能を動作させることができるため、消費電力を大幅に削減できるという。また、ロジック&イベントリンクコントローラ(ELCL)機能を搭載したことで、これまでのイベントリンクコントローラ(ELC)による消費電力低減に加え、複数のイベントを条件付きでリンクさせることが可能となった。

 RL78/G23は、動作周波数が32MHzのRL78 CPUコアを搭載、動作電圧範囲は1.6〜5.5Vと広い。内蔵メモリは、コードフラッシュメモリを最大768kバイト、データフラッシュを8Kバイト、SRAMは最大48Kバイトを、それぞれ搭載している。この他、独自の静電容量タッチセンサーユニットを内蔵した。高感度で耐ノイズ性能にも優れており、非接触のジェスチャーUIを実現できるという。

 セキュリティ機能も強化した。認証の暗号化に必要な真性乱数生成器(TRNG)や、デバイスごとに異なる「ユニークID」とユーザーが設定可能な「カスタマーID」を搭載している。なお、RL78/G23の評価ボードについては今後、FreeRTOSのAWSデバイス認定を取得する予定である。

RL78/G23の外観とRL78マイコンのロードマップ (クリックで拡大) 出典:ルネサス

 RL78/G23の参考価格(1000個一括購入時)は、128Kバイトのフラッシュメモリ搭載品で、パッケージが64端子LFQFPの場合、単価(税込み)は128円。評価ボードの価格(税込み)は2300円である。RL78/G23は、家電製品やリモコン、センサーシステムなど幅広い用途に提案していく。同社製のアナログIC、パワーICなどとマイコンを組み合わせたソリューション「ウィニング コンビネーション」も順次、用意していく。

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