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» 2021年04月28日 11時30分 公開

マイクロLEDディスプレイの市場拡大はまだ先製造技術やコスト面で課題(1/2 ページ)

マイクロLEDディスプレイは、OLED(有機ELディスプレイ)、LCD(液晶ディスプレイ)、量子ドットベースのディスプレイの潜在的な代替技術として派手に宣伝されているが、市場調査グループのIDTechExは警鐘を鳴らしている。同社のレポートは、ディスプレイ市場で他の技術に置き換わることに焦点を当てるとともに、新たな市場を創出することも考察している。

[John Walko,EE Times]

 マイクロLEDディスプレイは、OLED(有機ELディスプレイ)、LCD(液晶ディスプレイ)、量子ドットベースのディスプレイの潜在的な代替技術として派手に宣伝されているが、市場調査グループのIDTechExは警鐘を鳴らしている。同社のレポートは、ディスプレイ市場で他の技術に置き換わることに焦点を当てるとともに、新たな市場を創出することも考察している。

 IDTechExのリサーチャーらは、OLEDの直接的な代替技術と見なされることの多い自発光LEDベースのディスプレイについて、既存技術を用いた全てのバリューププロポジション(価値提案)やコスト面の期待を満たさない可能性があると指摘している。

マイクロLEDディスプレイでは、LEDディスプレイよりもかなり小型のLEDが画素として用いられる

 同社のリサーチャーらは過去にも、既存のサプライチェーンと製造能力のギャップは進歩を妨げると見なされる可能性がある一方で、別の次元では機会を生み出す可能性もあることを示唆していた。

 その名が示す通り、マイクロLEDディスプレイには、既存のLEDディスプレイよりも小型のLEDチップが用いられている。マイクロLEDディスプレイは自発光型の無機LEDで作られ、サブピクセルで動く。それらのLEDは一般的にマイクロメートル(μm)サイズであり、パッケージや基板もなく、従来のピック&プレース技術とは異なる方法で移載される。

 最もよく引き合いに出されるマイクロLEDディスプレイの価値は、色域の広さ、輝度の高さ、消費電力の低さ、安定性の高さ、寿命の長さ、視野角の広さ、ダイナミックレンジの広さである。他の利点としては、高速なリフレッシュ速度、透明性、シームレスな接続、センサー統合などが挙げられる。

 マイクロLEDディスプレイは極端に薄く作ることもでき、広い視野角を実現できる。だが、IDTechExの主席リサーチアナリストであるXiaoxi He氏によると、現状では、少なくとも一部の特定の用途においては、マイクロLEDの利点は高いコストで相殺されてしまう可能性があるという。

 例えば、前述のレポートは、スマートフォンに搭載されれば、ディスプレイの寿命を長くできるという点について触れている。だが、多くのユーザーは2〜3年ごとにスマートフォンを買い替えるので、追加のコストを払ってまでディスプレイの寿命をのばしたいと考える消費者は少ないだろう。

 またアナリストらは、消費電力についても、マイクロLEDのEQE(External Quantum Efficiency:外部量子効率)は低いが、最終製品の消費電力ははるかに高くなり得ると指摘する。さらに、マイクロLED関連の技術はまだ成熟していないため、コストが高くなる傾向にあり、超高精細なディスプレイを実現するのは難しいことも指摘した。

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