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ディスクリート回路を気軽にIC化できるプログラマブルデバイス「analogram」を提案ESEC2015

東芝情報システムは「第18回組込みシステム開発技術展」(ESEC2015/2015年5月13〜15日、東京ビッグサイト)で、2015年秋サンプル出荷予定のアナログ回路をプログラムできる独自デバイス「analogram(アナログラム)」の概要を公開した。

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 東芝情報システムは2015年5月13〜15日に東京ビッグサイトで開催されている「第18回組込みシステム開発技術展」(ESEC2015)で、2015年秋サンプル出荷予定のアナログ回路をプログラムできる独自デバイス「analogram(アナログラム)」の概要を公開した。量産規模の小さな用途でも、ユーザー独自のアナログ回路を低コストでIC化できるデバイスとして広く提案する方針。

トランジスタ、抵抗など基本素子もプログラム可能

 analogramは、あらかじめ搭載された「アナログコア」と呼ぶアナログ回路構成要素の接続構成を自由にプログラムできるプログラマブルアナログデバイスだ。アナログコアとしては、オペアンプやコンパレータなど、一定の機能を実現するアナログ回路ブロックの他、PMOS/NMOSといったトランジスタをはじめ、ポリシリコン抵抗、コンデンサなど基本素子も含まれる。

 アナログ回路構成を変更できるプログラマブルアナログデバイスは、既に半導体メーカー数社から発売されているが、「その多くは、アナログ回路ブロック単位での構成変更に対応するもので、基本素子レベルで再構成できる製品はなく、analogramはより自由度が高い」とする。

汎用、AFE、ゲート駆動の3種類用意へ


ESEC2015で展示した「analogram(アナログラム)」に関する展示パネル (クリックで拡大)

 東芝情報システムでは、今後3種類のanalogramを製品化する方針。1つは、現状、ディスクリート半導体や電子部品で構成しているさまざまなアナログ回路をIC化できるというコンセプトの汎用タイプで、コンパレータ、オペアンプを各4個搭載し、LDO、基準電圧/電流源、NAND、NORといったロジック回路と、各種基本素子などを備える構成で製品化する。

 汎用タイプ以外には、センサー後段のアナログフロントエンド(AFE)回路用途に主眼を置いたアナログ信号処理用や、パワーMOSFET駆動回路用の2タイプを製品化する計画。アナログ信号処理用では、10ビット分解能の逐次比較型A-Dコンバータ、オペアンプ、計装アンプを内蔵し、パワーMOSFET駆動回路用では、4チャンネルのゲートドライバ、電流検出用アンプなどを搭載する方針。いずれのタイプもロジック回路、基本素子を搭載し、analogramの特徴である高い自由度も確保する。

 製品化時期は、汎用タイプが2015年秋のサンプル出荷、2016年春の量産出荷を予定し、その他2タイプは2016年以降のサンプル出荷を予定している。

使いやすいツール、価格も

 自由度が高いため、プログラムの難易度が高まる恐れもあるが、サンプル出荷に向けて開発ツールを開発中で、「容易に回路をプログラムできるツールを実現し、開発期間や開発費の削減に貢献できる見込み」とする。

 接続情報は内蔵レジスタに設定でき、開発段階では、内蔵の1回書き込み不揮発メモリに書き込まずに、何度もプログラムを書き換えられる。

 価格については、1個当たり100〜200円程度に抑える方針とし、「量産規模の小さい用途でも手軽に使えるよう、少量の販売にも対応する」としている。

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