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製品分解で探るアジアの新トレンド(40):

RISC-V活用が浸透し始めた中国 (1/3)

今回紹介する、SiPEEDのAI(人工知能)モジュールには、RISC-Vプロセッサが搭載されている。RISC-V Foundationには中国メーカーも数多く参加していて、RISC-Vの活用は、中国でじわじわと浸透し始めている。【訂正あり】

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中国メーカーがモジュールを続々発売

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 コモディティともいえる中国製のモジュールが多くの(日本を含む海外)製品に使われている。最も代表的なものでは、Wi-Fi通信モジュールで有名なEspressif Systems(以下、Espressif)の製品が広く使われている。本連載でも何度も取り上げた。中国のお掃除ロボット、IoTエッジコンピュータである「M5STACK」の他、ルネサス エレクトロニクスのマイコンボード「GR-LYCHEE」(同月)にEspressifのWi-Fiモジュールが採用されている。

 中国メーカーからはLTEモジュール、Wi-Fiモジュール、Bluetoothモジュールが数えきれないほど発売されており、いずれも安価でさまざまな分野に活用されている。

 さらに2018年から2019年にかけて、中国からは、2画面を合成するデュアルカメラモジュールや、画像AI(人工知能)処理を行うモジュールなども続々と発売されている状況だ。

RISC-Vプロセッサを搭載したAIモジュール

 今回取り上げるのは、そんな中でも異色の特徴を持つ中国SiPEEDのAIモジュール「M1 AI Module」である。SiPEEDはディスプレイやカメラをキット化した「MAiX」シリーズなども販売している。図1はM1 AI Moduleの外観だ。わずか1インチサイズで、片面は端子だけで、実装面は金属シールドで覆われる。ぱっと見はWi-FiモジュールやLTEモジュールと変わらない。金属シールドには、多くの情報が書かれている。


図1:RISC-Vコアを使ったSiPEEDの「M1 AI Module」 出典:テカナリエレポート(クリックで拡大)

 現在、コンピュータを動かすCPUの分野では、モバイル系のほとんどはArmベース、PCやサーバなどではIntelのX86ベースが定番化している。車載や組み込み用途などでは各社各様のCPUを用いるケースも多いが、大きなTAM(Total Addressable Market)には至っていない。そんなシェア構造が明確なCPU市場に、オープン戦略で参入したのがRISC-Vである。

 既に、世界的な半導体メーカー、機器メーカーがRISC-Vの採用を公言している。ストレージのWestern Digital、GPUのNVIDIAなどだ。一方でRISC-V基金(RISC-V Foundation)には中国メーカーも数多く参加している。現在凌ぎを削って、RISC-Vコアを用いたチップや製品開発に取り組んでいるわけだ。日本でも現在7社*)がRISC-V基金のメンバーである。

*)日立製作所、ソニー、NSITEXE(エヌエスアイテクス)、SHC(Software Hardware Consulting)、PEZY Computing、ギリア、弊社テカナリエの7社

【訂正:2019年7月9日14時20分/7月10日18時 当初、「日本でも現在5社がRISC-V基金のメンバーである」と記載していましたが、「7社」の誤りです。訂正してお詫び致します。】

 図1に掲載したモジュールの画像から、M1 AI Moduleでは「K210」というプロセッサが搭載され、カメラAI処理や8マイクロフォンを扱うオーディオ処理などができることが分かる。CPUには64ビット版のRISC-Vコア「RV64GC」が2基搭載されている。図1の上部に代表的な機能を記載した(青い四角内部)。

 こうしたモジュールやチップが生まれることで、RISC-Vの実績が積み上がり、同時に製品採用事例も増えるだろう。

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