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パワー半導体世界市場、2025年に243億5100万ドルにコロナ禍の減少「リーマンショック時の半分程度」

矢野経済研究所は2020年7月27日、パワー半導体の世界市場予測を発表した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響でパワー半導体の世界市場は2020年にマイナス成長を見せるものの、2021年に一部分野から回復基調に転じ、2025年には243億5100万米ドルにまで成長すると予測している。

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 矢野経済研究所は2020年7月27日、パワー半導体の世界市場予測を発表した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響でパワー半導体の世界市場は2020年にマイナス成長を見せるものの、2021年に一部分野から回復基調に転じ、2025年には243億5100万米ドルにまで成長すると予測している。


パワー半導体の世界市場規模予測 (クリックで拡大) 出典:矢野経済研究所

コロナ禍で減少も、22年には19年の市場規模を上回る

 同社がパワー半導体メーカーやウエハーメーカー、システムメーカーに実施した専門研究員によるヒアリングや文献調査などを基にした予測だ。調査期間は2020年1〜6月。パワーMOSFET、IPDやダイオード、IGBT、パワーモジュール、バイポーラトランジスタ、SiC(炭化ケイ素)を使ったパワー半導体などが対象となる。

 同社は2020年のパワー半導体世界市場について、COVID-19感染拡大の影響から前年比9.0%減の169億4500万米ドルとなると見込んでいる。マイナス成長の予測ではあるが、同社は、「今回のコロナ禍で2020年の市場は16億7100万米ドルの減額と、リーマンショック時の減少額の約半分ほどにとどまる見通しだ」と説明している。

情報通信は21年からは増加基調

 パワー半導体の需要分野は「情報通信」「民生」「産業」「自動車」の4つに大別できるが、このうち情報通信、民生の2分野については減少幅は比較的小さいという。特に情報通信分野については、データセンター、5G(第5世代移動通信)基地局への設備投資が活発化することから、2021年からは増加基調になる見込み。同社は、「5G基地局はMOSFETやダイオードの搭載金額が4G基地局搭載金額の数倍であり、5Gの普及拡大がパワー半導体市場を押し上げるだろう」と説明。また、民生、産業分野についても2022年には市場が回復し、2023年からは成長推移すると予測している。

 この結果、パワー半導体世界市場は、2022年には2019年の市場規模(186億1600万米ドル)を超える187億6700万米ドルまで成長するという。同社は、2019〜2025年までの年平均成長率(CAGR)は4.6%で、2025年には243億5100万米ドルになると予測している。

自動車分野が「最大の落ち込み」

 自動車分野については、「4分野のうち最も大きく落ち込む」としている。これは世界の自動車販売台数が2018年以降減少傾向であることに加え、2020年3〜4月、COVID-19の影響から多くの自動車メーカーが工場の稼働を停止したことなどが要因。同社は、2020年の自動車向けパワー半導体世界市場は、前年比18.4%減の35億2600億米ドルまで落ち込むと予測している。市場の回復時期についても、4分野の中で最も遅れる見通しといい、同社は「日本や中国における新車販売台数の回復は早いが、その他地域での成長が低迷するために、2023年ごろまでパワー半導体の需要は小幅な増加にとどまるだろう」と分析している。

SiCはEV向け需要拡大で大きく成長

 同社は2019年のSiCパワー半導体世界市場が、前年比23.5%増の5億4600万米ドルと大きく成長したことにも言及。SiCパワー半導体は、データセンター向けサーバや太陽光発電用パワーコンディショナー、産業機器用電源、EV用充電ステーションやオンボードチャージャーなどに使われており、SiC-SBDだけでなくSiC-MOSFETの採用も進んでいる。

 情報通信、産業分野については2019年下期から調整局面にあるため増加率は小幅だったが、自動車分野での需要の高まりが成長をけん引。同社は、「これまではコスト面から電気自動車(EV)用オンボードチャージャーに採用が限定されていたが、一部のEVでモータ駆動用インバータでの採用が始まり、2019年の市場規模は前年比2倍以上に伸長した」と説明している。さらに今後は高容量バッテリーや800V給電システムを採用するEV高級車へのインバーターでの搭載が見込まれることから、同社は、2025年のSiCパワー半導体の世界市場規模は18億2000万米ドルにまで成長する、としている。

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