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東北大、円偏光で界面に誘起されるスピンを発見光磁気メモリの開発に弾み

東北大学は、円偏光によって強磁性と非磁性の界面に誘起されるスピンを発見した。高速で消費電力が小さい光磁気メモリの開発に弾みを付ける。

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鉄コバルト/白金の薄膜積層構造に円偏光のパルス光を照射

 東北大学学際科学フロンティア研究所の飯浜賢志助教は2020年12月、東北大学材料科学高等研究所の水上成美教授らと共同で、円偏光によって強磁性と非磁性の界面に誘起されるスピンを発見したと発表した。

 研究グループは今回、膜厚が数nmの鉄コバルト合金薄膜上に非磁性重金属の白金を積層した構造の試料を作製し、円偏光によって発生するスピンを、超短光パルス磁気計測により評価した。

 100フェムト秒の時間幅をもつ円偏光のパルス光を試料に照射したところ、円偏光のヘリシティの向きに依存して、鉄コバルトの磁気振動を励起できることが分かった。これは円偏光によって薄膜中にスピンが誘起され、薄膜磁石にトルクが与えられたことにより生じたものだという

 研究グループは、トルク方向の膜厚依存性や試料の構造依存性について調べた。この結果、光照射によって界面にスピンが生成されていることを発見した。また、構造対称性を変えた複数の試料を用いて実験を行ったところ、効果の発現には薄膜の構造非対称性が重要であることを確認した。


光が発生するスピンの模式図。左は逆磁気光学効果による磁場生成、中央は光吸収によるスピン生成、右は今回明らかになった界面に誘起するスピン生成 出典:東北大学

左が測定手法の模式図、右は観測データの例 出典:東北大学

 研究グループは今後、光照射によるスピン生成の効率や、微小磁石の制御効率を向上させるための基礎研究などを行い、高速で消費電力が小さい光磁気メモリの早期実用化を目指す考えである。

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