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» 2015年06月09日 11時30分 UPDATE

ビジネスニュース 企業動向:壊れにくい抵抗器、小さいディスクリート――独自色打ち出し、国内車載市場へ浸透へ (1/2)

米国のビシェイ・インターテクノロジー(Vishay Intertechnology/以下、ビシェイ)は、車載分野を中心に日本でのビジネス拡大に注力している。競合が多く存在する中で、独自性のある製品を前面に打ち出し、新規ユーザーの獲得に努めている。

[竹本達哉,EE Times Japan]

「全てのティア1と」

 「日本国内における車載向けビジネスは好調だ。競合と製品面で差別化できている点が功を奏している。車体制御関連の国内ティア1企業の全社と取引があるといえるほど、浸透している」(ビシェイ・ジャパン社長 小澤政治氏)。

 米国のビシェイ・インターテクノロジー(Vishay Intertechnology/以下、ビシェイ)は、個別半導体/受動部品メーカーだ。ダイオード/パワーMOSFETといった個別半導体から、抵抗器、コンデンサ、インダクタなど幅広く手掛ける。これら製品分野はいずれも、日本に強力な競合が存在する市場。外資系メーカーにとって参入障壁は高いはずだ。しかしながら、より障壁の高い自動車分野で、「全てのティア1と取引がある」というほどに、国内市場に根ざしているという。

tt150609VISH000.jpg ビシェイ・ジャパン社長 小澤政治氏

 競合がひしめく国内で採用を伸ばせてきた理由は、“独自性”だ。

 ビシェイの日本でのビジネス獲得の1つの流れはこうだ。他社にないビシェイ独自の製品を数多くラインアップ。そして、ADAS(先進運転支援システム)など新技術導入に積極的な欧州車載市場で採用実績を積む。すると、欧州勢のECU(電子制御ユニット)に実装されているビシェイのデバイスを見た国内電装品メーカーから引き合いを得る。他に類似製品がないからこそ、ビシェイ・ジャパンに問い合わせが来るのだ。

追従を受ける独自パッケージ

 ビシェイの独自性の1つが、パッケージ技術にある。例えば、車載用パワーインダクタ「表面実装メタルコンポジットインダクタでは最大の定格電流(最大180A)を実現した」という「IHLPシリーズ」などをそろえるとともに、電界シールドを施した「IHLEシリーズ」をリリースした。磁界シールドされたパワーインダクタは多いが、電界シールドは珍しい。IHLEは、磁界/電界双方のシールドを実施。これまで回路ブロック単位、基板単位で行っていた大規模な電界シールドを簡略化できる。

tt150609VISH001.jpgtt150609VISH002.jpg 2015年5月に開催された「TECHNO-FRONTIER 2015」で公開したパワーインダクタのノイズ比較デモ。左の写真は、磁界/電界ともに対策していない巻き線が露出したドラム型での電界ノイズを計測したところ。「10〜11」のノイズレベルを指し示した。一方、右の写真は、電界シールドを施した「IHLEシリーズ」の測定の様子で、ノイズレベルは「0〜1」を示した (クリックで拡大)

 ディスクリート半導体でも独自パッケージがそろう。ディスクリート半導体は、業界標準パッケージ採用品の需要が根強い一方で、大電流対応、さらなる小型化に向けたニーズも存在する。そこで、ビシェイは、業界標準パッケージ品と並行して、独自の大電流対応表面実装パッケージを開発。パワーMOSFETでは、D2PAK、DPAKといった標準的パッケージと同等の大電流に対応した6×5mmサイズのSO-8やSO-8Lパッケージを開発。ダイオードでも、大電流対応ながら小型というコンセプトのeSMPシリーズをラインアップ。「サイズ重視の顧客で採用を伸ばしている。ビシェイ独自パッケージながら(競合の中に)追従の動きがある」とし、将来的には独自パッケージが標準パッケージになる可能性も秘める。

tt150609VISH003.jpg ダイオード用パッケージラインアップ。右側の黒い線で囲まれた部分のパッケージがビシェイ独自のeSMPシリーズ (クリックで拡大)
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