コラム
» 2015年10月05日 10時00分 UPDATE

“7つの検証レベル”を解説:SoC設計で極めて重要なIP品質をどう評価するか (1/3)

IPの品質は、サードパーティー製IPを使用するSoC設計チームにとても大切です。しかし、新しいIPを使用するときは、どの顧客もある程度のリスクトレードオフがあります。リスクを最小限に抑え、開発期間をできるだけ短縮したいなら、IPを“7つの検証レベル”で評価しなくてはなりません。

[K. Charles Janac,EE Times Japan]

 IP(半導体知的財産)の品質は、サードパーティー製IPを使用するSoC設計チームにとってとても大切です。高度にコンフィギュラブルなIPでは、顧客が自社のシステムや市場に特有の要件を満たすべくそのIPライセンスを取得するため、なおさら品質が問われます。オンチップインターコネクトファブリックはおそらく高度にコンフィギュラブルなIPの典型であり、その品質はSoC製作の“一発完動”を実現する上で極めて重要です。

tt151005SoC001.jpg 画像はイメージです

 コンフィギュラビリティの初期コストはテープアウト(設計完了)の遅れにかかるコストに比べれば小さいため、徹底的な検証を行うべきです。コンフィギュラビリティにより顧客は無数の方法でイノベーションを実現できます。しかしそのためにはコーナーケースの検証が非常に重要になってきます。

 十分な品質を確保するためには、プロダクションSoC設計で実証済みのコンフィギュラブルIPを使用することが近道でしょう。大規模SoCに実装され、複数の設計およびプロダクションレベルで検証されたものなら、そのコンフィギュラビリティは「実証済み」だと言えます。しかし、このレベルでさえ、新しいIPを使用するときはどの顧客にもある程度のリスクトレードオフがあります――新しい市場に対応するための最先端機能が欲しいのでしょうか? それとも実証済みでリスクの少ないものが欲しいのでしょうか? それをどう判断したらよいのでしょう?

信頼し、かつ検証する:7つの検証レベル

 リスクを最小限に抑え、開発期間をできるだけ短縮したいなら、採用を検討しているIPを“7つの検証レベル”で評価しなくてはなりません。SoCのライフサイクル全体を通した品質への安心感を高めたいなら、次の7つの検証レベル全てに合格したIPを使用する必要があります。

1.ユニットレベル - コンフィギュラブルIPを構成するユニットおよびエレメントを検証するこの基本レベルがプロセスには不可欠です。ここで見つかるバグや懸案事項が以降のレベルでの問題につながるためです。

2.モジュールレベル – モジュールレベルの検証は、必要とされるパフォーマンスパラメータやトポロジに基づいてSoCに実装される実際のユーザーコンフィギュレーション内で行います。このレベルでは、コンフィギュラブルIPを設計内の他のIPの機能とつなげます。まずはベンダーによって検証され、代表的な設計サンプルに基づくべきです。結果はすぐに顧客に送られる必要もあります。

3.SoCレベル –IPベンダーはいくつものサンプルSoC設計―(顧客から提供してもらうのが理想ですが―)を使用して代表的なユーザーコンフィギュレーションを検証し、パフォーマンスと品質も検証しなければなりません。リリース間の設計パフォーマンスのドリフト検証もここに含まれます。

4.設計フローツールの検証 –ツール群がコマンドラインとGUI(グラフィカルユーザーインタフェース)のどちらかで制御されるのか、両方で制御されるのかに関係なく、IPの構成および生成に使用されるすべてのツールのテストを行います。

5.相互運用性 – IPベンダーは、AMBAや顧客独自のプロトコルをはじめとするトランザクションプロトコルと通信プロトコルのテスト結果を示す必要があります。また、主要パートナーとのEDAツールおよび検証IPの統合も実証されるべきです。

6.カスタマーモジュールおよびSoCの検証 – 設計/テープアウト/引渡し/デバッグフェーズで行います。顧客は社内チームによってハードコーディングされたときと同じかそれ以上の信頼をもって構成済みIPの実装、統合、検証を行えるべきです。

7.カスタマー/システムレベルユーザー/クオリティエクスペリエンス −システムハウスやエンドカスタマーシステムのライフサイクルテストが含まれます。

 検証シーケンスの最も重要な部分は、最後の2つのカスタマーフェーズです。ここでは、IPベンダーに高品質IPを提供させるだけでなく、顧客がIPのカスタム構成を容易に検証できるようにするために、IP企業がその内部検証プログラムにおいて人員、文化、プロセス、そして実行を管理することが重要です。これは長期的なプロセスですから、IPベンダーとユーザーの間に信頼関係がなくてはなりません。

 ユーザーはあらゆるテストと検証を実施できますが、十分な数のIPを実装し終えるまではどんな問題が生じるか分からないからです。予測や解析は直接体験から得た知識には及びません。狭い範囲のターゲットアプリケーションに自社製品が採用されているベンダーが、もともとターゲットとしている市場以外へ展開した際、しばしば問題に直面するのはそのためです。

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