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» 2015年11月06日 11時00分 UPDATE

最小5μmからのさまざまな線幅でも一括形成:複雑な電子回路を一発で印刷できる製版技術

SCREENホールディングスは2015年11月5日、さまざまな線幅が混在する複雑な電子回路を1回の印刷で形成するグラビアオフセット印刷をベースにした製版技術を確立したと発表した。同社では、「さまざまな線幅を一括形成できる世界初の印刷技術」としている。

[竹本達哉,EE Times Japan]

グラビアオフセット印刷で

 SCREENホールディングスは2015年11月5日、さまざまな線幅が混在する複雑な電子回路を1回の印刷で形成するグラビアオフセット印刷をベースにした製版技術を確立したと発表した。これまでは複数回の印刷を行う必要があり、「容易に一括形成を可能とする世界初の製版技術」(同社)とする。2016年1月に開発した技術を使い印刷版を商品化する方針。

 印刷を活用し、これまでより簡単、低コストに電子デバイスを製造する技術「プリンテッドエレクトロニクス」に注目が集まっている。プリンテッドエレクトロニクスによる回路形成には、スクリーン印刷(孔版)、グラビア印刷(凹版)を応用した方法があり、特に精密な電子デバイスの製造には、複雑で微細な回路形成が可能なグラビアオフセット印刷が適しているとされる。ただ、グラビアオフセット印刷で、線幅の異なる回路を一括形成する場合、転写不良による回路の断線や不均一な膜厚が形成されてしまう可能性があり、同一線幅の回路ごとに描き分けられた複数の印刷版を用意した上で、複数回に分けて印刷する必要があった。

 これに対し、SCREENホールディングスが開発した技術は、1回の印刷でさまざまな線幅の回路を形成できる印刷版を製作する技術だ。

グラビアオフセット印刷版の断面 新技術によるグラビアオフセット印刷版の断面 出典:SCREENホールディングス

 電子回路の製版データ作成時にインクの材質や粘度、印圧情報を考慮し、回路線幅に応じて最適な深度を持つ印刷版を製作する。これにより、線切れや、膜厚の不均一性といった転写不良を解消するという。印刷回数を1回に抑えることにより、プリンテッドエレクトロニクスを実用化する上で課題であった生産性やコスト効率を向上させることができる。

 印刷可能な最小線幅は5μmで、印刷版の最大深度は標準25μm。使用できるインクは、「グラビアオフセット方式に対応できる導電性インク」(同社)とし、特別なインクは必要としない。

2016年1月に商品化予定

 同社は2016年1月にこの製版技術を用いた印刷版の商品化を予定していて、タッチパネル用途などでの採用を見込む。加えて、印刷に最適な装置開発やシステムインテグレーションなどの提供も視野に入れ、「プリンテッドエレクトロニクス分野のリーディングカンパニーを目指す」としている。

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