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» 2017年08月28日 10時30分 公開

鮮明なディスプレイを実現可能に:ペロブスカイト型量子ドットの量産技術を確立

富士色素は、ペロブスカイト型量子ドットを大量生産する技術を確立した。他社に先行して生産を商業ベースに乗せる。

[馬本隆綱,EE Times Japan]

商業ベースで他社に先行

 富士色素は2017年8月、ペロブスカイト型量子ドットを大量生産する技術を確立したと発表した。ディスプレイ用途に応用すると、他の量子ドットに比べてより鮮明な色を出すことができるという。

 ペロブスカイト型量子ドットは、発光波長を調整することが可能で、固体の蛍光体などに比べて発光スペクトルの半値幅も狭い。幅広い波長を吸収することもできる。このため、明るく鮮明な色表現が可能となる。また、量子ドットは水や各種有機溶液に分散しており、安価な印刷技術やコーティング技術で塗布することができるという。

左はブラックライト下で発光するペロブスカイト型量子ドット、右は波長420nmの励起光下におけるペロブスカイト型量子ドットの発光スペクトル

 今回開発したペロブスカイト型量子ドットの主な組成は、CH3NH3PbX3(緑色)とCsPbX3(X=Cl、Br、I)(青色、赤色)である。量子収率は50〜80%で、半値幅は18〜39nmと狭い。ベースとなる溶剤は検討中だが、トルエンやヘキサンが主体となる。なお、鉛(Pb)を含まないペロブスカイト型量子ドットも、現在開発中だという。

 富士色素は、量子ドットとしてZnS(硫化亜鉛)、InP(リン化インジウム)/ZnS、CdS(硫化カドニウム)、CdSe(セレン化カドニウム)など、さまざまな製品を用意している。これらの中には、主に海外市場においてディスプレイ用途で実用化が始まっている製品もあるという。しかし、安全性や化学的安定性など、使用する材料によっては課題もあることから、新たにペロブスカイト型量子ドットを開発した。

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