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微細な立体構造部の機械的強度と電気特性を両立センサーや電子部品を1/10に

PALTEKグループのテクノロジー・イノベーションは、小野田製作所や長野県工業技術総合センターと共同で、微細な金属材料と樹脂材料を複合させ、立体形成する技術を開発した。

» 2018年02月08日 13時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

導電性と絶縁性の材料をサンドイッチ構造で一体形成

 PALTEKグループのテクノロジー・イノベーションは2018年2月、小野田製作所と長野県工業技術総合センターの精密・電子・航空技術部門と共同で、微細な金属材料と樹脂材料を複合させ立体形成する技術を開発したと発表した。この技術を用いると、極めて小さいセンサーや電子部品を製造することが可能になるという。

 今回の開発は、テクノロジー・イノベーションが有するMEMS開発技術をベースに、小野田製作所が機械的強度と電気特性に優れたメッキ技術を、長野県工業技術総合センターがMEMSプロセスや評価技術を、それぞれ持ち寄ることで実現した。

 開発した技術を用いると、曲線や微細な凹凸など複雑な形状を、加工精度0.01mm以下で形成することができる。また、導電性を有する金属材料の形成プロセスを最適化し、良好な機械的強度と電気特性を実現した。さらに、金属と絶縁性の材料をサンドイッチ構造で一括形成することによって、絶縁材料を介して金属を密着させることに成功した。この結果、構造体の強度を高めつつ電気特性にも優れた、微細な立体構造物を形成することが可能となった。

左は開発技術を用いて形成した立体構造物、右は試作品と毛髪の比較 出典:テクノロジー・イノベーション

 立体形成には、半導体製造などに用いられるフォトリソグラフィとメッキの技術を組み合わせたプロセスを採用しており、量産効果によるコストダウンなどが期待できるという。

 テクノロジー・イノベーションは、開発した技術をセンサーや電子部品向けにブラッシュアップし、従来製品の10分の1以下に小型化した新製品開発などを行っていく。製造受託などにも応じる予定だ。

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