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» 2018年03月13日 10時30分 公開

福田昭のストレージ通信(92) STが語る車載用埋め込み不揮発性メモリ(5):車載用の埋め込みフラッシュメモリ技術 (1/2)

今回は、大容量、具体的には車載用の埋め込み不揮発性メモリ技術を取り上げる。車載用の不揮発性メモリ技術は、1トランジスタのNORフラッシュ(1T NOR Flash)技術と、スプリットゲートフラッシュ技術に大別される。

[福田昭,EE Times Japan]

車載用の埋め込みフラッシュを実現する2つの技術

 国際会議「IEDM」の「ショートコース(Short Course)」から、車載用の埋め込み不揮発性メモリに関する講座「Embedded Non Volatile Memories for Automotive Applications」の概要をご紹介している。講演者は半導体ベンダーSTMicroelectronics(STマイクロエレクトロニクス)のAlfonso Maurelli氏である。

 なお講演の内容だけでは説明が不十分なところがあるので、本シリーズでは読者の理解を助けるために、講演の内容を適宜、補足している。あらかじめご了承されたい。

 前回は、埋め込み不揮発性メモリの記憶容量に対する要求仕様の違いから、小容量メモリと中容量メモリの応用システムと実現技術を説明した。今回は、大容量の埋め込み不揮発性メモリ技術、具体的には車載用の埋め込みフラッシュメモリ技術を解説する。

 車載用の大容量埋め込みフラッシュ技術には、大別すると、2つの技術がある。1トランジスタのNORフラッシュ(1T NOR Flash)技術と、スプリットゲートフラッシュ技術である。

 1T NOR Flash技術は、メモリセルのトランジスタをMOSFETのゲートを浮遊ゲート(フローティングゲート)と制御ゲートの積層構造にしたもので、単体メモリのNORフラッシュメモリと類似の技術である。メモリセル面積が小さいので大容量化に適している、信頼性が高いといった特長がある。一方で書き込みの消費電流が高い、メモリアクセスのページサイズが大きい、書き込みに10Vと高い電源電圧を必要とする、といった弱点を抱える。

 スプリットゲートフラッシュ技術は、トランジスタのゲートを横方向(シリコン表面と平行な方向)に分割することによって1つのゲートを浮遊ゲート、もう1つのゲートを制御ゲートとしたフラッシュメモリ技術である。メモリセル面積はやや大きめになるものの、アクセス時間が短い、書き込み消費電流が低い、メモリアクセスのページサイズが小さいといった利点がある。

車載用埋め込みフラッシュメモリ技術。主に、1T NORフラッシュ技術と、スプリットゲートフラッシュ技術がある。出典:STMicroelectronics(クリックで拡大)
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