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複数人を同時測定できる24GHzバイタルセンサー開発キットとして発売(1/2 ページ)

アナログ・デバイセズとサクラテックは2018年6月6日、24GHzレーダーを使用した非接触型バイタルセンサーシステムを共同開発したと発表した。同システムは、生体情報データを活用した先進アルゴリズム開発、研究用途などに向けた開発用プラットフォームとして販売する。

» 2018年06月07日 11時30分 公開
[竹本達哉EE Times Japan]

 Analog Devicesの日本法人であるアナログ・デバイセズとサクラテックは2018年6月6日、24GHzレーダーを使用した非接触型バイタルセンサーシステムを共同開発したと発表した。同システムは、生体情報データを活用した先進アルゴリズム開発、研究用途などに向けた開発用プラットフォームとして販売する。

【訂正あり】この記事には、掲載当初から訂正した箇所があります(2018年6月11日午前10時20分)

開発した24GHzレーダーによる非接触型バイタルセンサーシステムのレーダーモジュールのモックアップ(写真左下)と、レーダーモジュールとソフトウェア、評価用カメラを組み合わせた24GHzレーダーを使用した非接触型バイタルセンサー評価キット(写真中央) (クリックで拡大)

 開発した24GHzレーダーによるバイタルセンサーシステムは、非接触で人の呼吸、心拍といった生体情報と、人の居る位置を検出できるもの。±45度の方位角、4〜5mまでセンサーから離れた範囲に居る複数の人の生体情報、位置情報を同時に取得できる。

24GHzレーダーを使用した非接触型バイタルセンサーシステムのデモの様子。写真左、赤い矢印で示した位置のレーダーモジュールで、24GHzレーダーを照射し、その反射を受信し、人との位置、呼吸数、心拍数を取得する (クリックで拡大)

 レーダーを使用し、非接触で生体情報を取得するシステムはこれまでにも多く開発されている。ただ、多くの場合、ドップラーレーダーを使用しているため、複数の測定対象を同時に測定することは難しかった。これに対し、開発した非接触型生体情報センサーシステムは、MIMO(Multiple-Input and Multiple-Output)および、ビームフォーミング技術を使用して複数のレーダーを照射することで、角度分離を行い複数の対象を同時に測定することを可能にした。

 30GHz以上のミリ波帯の周波数を使用したミリ波レーダーでも、MIMO技術を用いて同様の非接触バイタルセンサーを構築できるが、「ミリ波レーダーの場合、広帯域の周波数を使用することなどから、部品コストや検査コストが高額になる他、システムのサイズや消費電力も大きくなるという課題がある」(アナログ・デバイセズ)とする。「24GHzレーダーであれば、小型軽量、低消費電力、低コストを実現できる」(同社)と強調する。

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