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» 2018年06月18日 11時30分 公開

製品分解で探るアジアの新トレンド(29):世界初「ディスプレイ指紋認証スマホ」分解で感じた中国Vivoの魅力 (1/3)

今回は、世界で初めてディスプレイ指紋認証機能を実現したとみられるスマートフォン「Vivo X20 Plus UD」(Vivo製)を分解し、チップ内部も含めて観察した様子を報告する。世界的なスマホメーカーに成長したVivoの端末の魅力を感じることができた。

[清水洋治(テカナリエ),EE Times Japan]

全面ディスプレイ化で裏面に移った指紋認証

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 スマートフォンメーカー各社は近年、暗証番号によるユーザー認証に合わせて、指紋認証や顔認証などの新たなユーザー認証方法を用いスマートフォンのセキュリティを高めている。同時に、長年使われてきたホームボタン(物理的なボタン)を廃止することでディスプレイ面積を拡張したり、デザイン性を高めたりするようになっている。

 ホームボタンを廃止するだけでもスマートフォンの印象は大きく変わる。同時期に有機ELディスプレイ化も進み、ディスプレイ部が薄くなったことで、内部では2枚重ねの基板が登場(関連記事:わずか0.1mm単位の攻防が生んだiPhone X)したり、電池の厚みを若干増やして電池容量を拡大させ、動作時間を伸ばしたりしている。

全面ディスプレイデザインとなっている「Galaxy S9」(Samsung Electronics製)。裏面のカメラ近傍に指紋認証ボタンが配置されている 出典:サムスン電子ジャパン

 一方でホームボタンを廃止しても、指紋認証ボタンを省略できず、Samsung Electronicsの「Galaxy Sシリーズ」(2018年モデルの「S9」など)では、本体背面のカメラの横に指紋認証ボタンを移動させている。中国の多くのスマートフォンも2017年には指紋認証機能を持つようになっており、同様に本体ディスプレイ裏側のアウトカメラ近くに指紋認証ボタンを移している。

 ディスプレイ側にホームボタンをなくした、全面ディスプレイのデザインが増えている。ただ一方で、背面はカメラや指紋認証が並ぶことで、若干のデザイン面、機能面でのデグレード(後退)が起こってしまっている。

ディスプレイ埋め込み型指紋認証モジュールの登場

 2017年、Synapticsは、ディスプレイに埋め込むことができる指紋認証モジュールを発表した。発表時点では、2018年のどこかの段階で中国メーカーが採用することが予想されていたが、年が明け、米国ラスベガスで開催された展示会「CES 2018」で中国のスマートフォンメーカーであるVivoから世界初のディスプレイ指紋認証機能付きスマートフォン「Vivo X20 Plus UD」(以下、X20 Plus UD)が発表された。

 筆者が代表を務めるテカナリエでは発売早々に、このX20 Plus UDを複数台購入して解析を行った。今回はX20 Plus UDの特長に触れつつ、ディスプレイ指紋認証機能がどのようなものか、報告したい。

図1:ディスプレイ指紋認証機能付きスマートフォン「Vivo X20 Plus UD」の梱包(こんぽう)箱、宣伝用画像および、外観 (クリックで拡大) 出典:テカナリエレポート

 図1はX20 Plus UDの梱包(こんぽう)箱、宣伝用イメージ(左下)と端末背面の様子である。ディスプレイ側にも背面側にも一切ハードウェアボタンがないという点で、非常に画期的なスマートフォンになっている(背面にはカメラ以外のハードウェアは存在しない)。ホームボタンや指紋認証ボタンがないことが今後の主流の1つになっていくのだろう。

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