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GLOBALFOUNDRIES、7nm開発を無期限停止へAMDはTSMCに委託先を切り替え(1/2 ページ)

最先端の半導体プロセス技術をめぐる競争は、今や3社に絞られた。GLOBALFOUNDRIESは、7nm FinFETプロセスの開発を無期限に延期すると発表した。

» 2018年08月29日 11時00分 公開
[Rick MerrittEE Times]

 最先端の半導体プロセス技術をめぐる競争は、今や3社に絞られた。GLOBALFOUNDRIESは、7nm FinFETプロセスの開発を無期限に延期すると発表した。従業員の5%未満に当たる人数を解雇し、ASICグループを完全子会社にすることで、7nmプロセスを手掛ける他のファウンドリーと提携できるようにする。

GLOBALFOUNDRIESのCEOであるTom Caulfield氏

 GLOBALFOUNDRIESにとって、7nmプロセスで収益を得るためには、20億〜40億米ドルの費用をかけて、1カ月当たり4万〜5万枚のウエハー処理を可能にする必要があった。同社の「Fab 8」の元ゼネラルマネジャーで、2018年3月にCEO(最高経営責任者)に就任したTom Caulfield氏は、「7nmプロセスにこれだけの投資をする意味を見いだすことができない」と述べた。

 Caulfield氏は、2018年5月にEE Timesが行ったインタビューで、GLOBALFOUNDRIESのオーナーであるアラブ首長国連邦アブダビ政府系の投資グループMubadalaから収益の向上を求められたと明かしている。同年6月には、GLOBALFOUNDRIESは、製造をやめることなく5%のレイオフを発表し、1万8000人の従業員のうち約900人に影響を与えた。

 Caulfield氏は、「われわれの大口顧客からの7nmチップの需要はない。業界において、14nm/16nmプロセスへの需要は28nmの半分であり、7nmの需要は14nm/16nmのさらに半分となる可能性がある」と述べている。「2022年には、ファウンドリー市場の3分の2が12nm以降のノードになるとみられているが、われわれがこの市場で大きな敗北を喫することはないと考えている」と付け加えた。

AMDは7nmチップ製造委託先をTSMCに

画像はイメージです

 GLOBALFOUNDRIESのこの決断を受けて、同社の顧客であるAMDは、7nmチップの製造をTSMCで行うという決定を下した。市場調査会社Linley Groupのアナリストを務めるLinley Gwennap氏は、「AMDのチップを製造できるほど十分なウエハーを、短期間で確保できるのか」という質問に対し、「良い質問だ。AMDは、GLOBALFOUNDRIESを“第2の製造委託先”とみていたので、これまではウエハーを確保できていた。だがTSMCを使うとなると、これからはAppleや他のメーカーとの(ウエハーをめぐる)競争になるだろう」と答えた。

 Samsung Electronicsは、EUV(極端紫外線)ステッパーを用いた7nmプロセスでの製造を2019年初頭から開始すると発表したが、Gwennap氏は「Qualcommをはじめ、多くのメーカーがTSMCに製造を委託するのではないか」と語った。

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