検索
ニュース

IBM、実用的な量子コンピュータに近づく成果新技術(2/3 ページ)

IBMは、量子ビット数を拡張できる量子コンピューティング アーキテクチャを開発したという。量子コンピュータ実現に向けた大きな課題であるビット反転エラー/フェーズ反転エラーを補正できる冗長性を持たせたアーキテクチャで、規模を拡大させやすいとする。

Share
Tweet
LINE
Hatena

冗長性を持たせるレイアウト

 このためIBMは、4ビットを正方形に配置し、冗長性を4倍に高めた。これにより、エラーのない拡張可能な量子コンピュータを実現できる可能性が広がる。

 Chow氏は、「意味のある計算を実行するには、完璧に近い量子ビットが不可欠だ。それには、エラー修正のためだけに使用する量子ビットが必要になる。われわれは現在、1量子ビットの中に存在する可能性のあるエラーを訂正できるようにするため、8量子ビットアーキテクチャの開発にも取り組んでいる。1量子ビットの信頼性を完璧なものにするためには、13〜17量子ビットまたはそれ以上が必要になるとみている」と述べている。


正方形のレイアウトは、システムの拡張に優位な構成だとする (クリックで拡大) 出典:IBM Research

 同氏はその理由について、「通常のビットは、『0』か『1』のいずれかの状態しかとらないが、量子ビットは『1』でもあり『0』でもあるという『重ね合わせ状態』をとる。このため、量子計算において、いずれかの状態を確実に保存することは極めて困難だ」と説明する。

 IBMの4量子ビットアーキテクチャでは、2量子ビットで数値を保存し、残りの2量子ビットでビット反転とフェーズ反転の有無をそれぞれ確認するという。

 IBMは、量子コンピューティングの実現を目指す上で至高の目標とされる、“完璧に正確な量子ビット”の実現を目指していく。この取り組みが成功すれば、あらゆる規模に拡張可能な真の量子コンピュータを実現するための基礎を築くことができるだろう。IBMは、こうした目標を達成すべく、量子ビットをさらに追加することによって、既存のアーキテクチャを拡大していく予定だという。現在は、量子コンピュータ向けのエラー訂正技術「Surfaceコード」を備える8ビット格子を用いている。こうした取り組みにより、真の量子コンピュータの市場投入を実現していく上で不可欠とされる、量子情報の保護や量子エラー訂正を確実に提供できるようになるとみられる。


IBM トーマス・J・ワトソン研究所で量子ビットの検出を行うJerry Chow氏 出典:Jon Simon/Feature Photo Service for IBM

 「至高の目標とされている完成度を実現する上で、拡張可能な格子に必要とされる量子ビットの数は、8個、13個、17個、49個のいずれかになるとみている。また、アーキテクチャの形も、長方形や六角形などの対称的配置に変更する必要があるだろう。われわれとしては、確実に達成可能な目標であると確信している」(Chow氏)。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る