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» 2013年08月30日 00時00分 公開

「英語に愛されないエンジニア」のための新行動論 ―番外編―:TOEICを斬る(後編) 〜“TOPIC”のススメ〜 (2/3)

[江端智一,EE Times Japan]

「TOPIC」の全容

 私が提唱するTOPICの問題は、次のような構成となります。


設問1 写真を見て、彼女が泣いている理由を(イ)〜(ニ)から推測しなさい。

(イ)彼女は失恋して泣いています
(ロ)彼女は上司に叱られて泣いています
(ハ)彼女は泣いたふりをしているだけです
(ニ)彼女は実は男なのです

設問2 ビデオをみて、彼が何を言いたいのか考えなさい。

(イ)彼はおなかが減っています
(ロ)彼はおなかが減ったふりをしています
(ハ)彼はおなかが痛いです
(ニ)彼はおなかが痛いふりをしています

 言葉を超えるコミュニケーションが必要な場面では、相手の考えていることを正しく推測できてこそ、“国際コミュニケーション”であると言えるでしょう。

 このような、“状況を客観的に判断するテスト”の後は、実技テストになります。

 実技テストは、当然実際に演じなければなりません。そしてその演技は、世界のどこに行っても通用するユニバーサリティが要求されるのは言うまでもありません。従って、この実技テストはメディアあるいはインターネットを介して、世界の1000人を超える審査員に映像で一斉に同報され、審査結果が即時に集計されるシステムの利用が前提となります。

 受験者には、次のような設問がその場で与えられ、カメラの前で直ちに演じることになります。

設問3 次のシーンを演じなさい。

(イ)橋の上で彼を待っている28歳女性が、トイレに行きたいのを我慢している様子を演じなさい(制限時間15秒)
(ロ)31歳の彼が遅れて現れた時に、彼女が感じた安堵感と、生理現象を我慢している苦痛が、彼に対して怒りの形で現れた様子を演じなさい(制限時間30秒)
(ハ)彼女が怒っている理由が分からず戸惑っている彼と、程なくその理由を理解したけれど彼女にそれを気付かせない彼の振る舞いを演じなさい(制限時間30秒)

 一方、世界の1000人を超える審査員にはあらかじめ次のようなアンケート用紙が用意されています。

演技者の演技の内容について伺います。

(1)受験者の演じている人数は何人ですか。

(イ)1人
(ロ)2人
(ハ)3人
(ニ)4人以上

(2)受験者が演じている女性の年齢を推測してください。

(イ)15歳未満
(ロ)15歳以上〜25歳未満
(ハ)25歳以上〜30歳未満
(ニ)30歳以上

(3)彼女の心の動きを時間順に推測してください。

(イ)苦→怒→哀→楽
(ロ)哀→楽→怒→喜
(ハ)苦→喜→怒→哀
(ニ)苦→喜→哀→怒

(4)彼女の最初の振る舞いの理由を次の中から推測してください。

(イ)考え事
(ロ)空腹
(ハ)怒り
(ニ)生理的欲求

 このアンケートを集計し、正解を多く得た受験者こそが、正確なコミュニケーションを行うに足る演技ができたことになるわけです。

 このようにTOPIC――Test Of Playing International Communication――は世界共通にして最高の有効性を持つ普遍的なコミュニケーションを、客観的に測定するテストであり、前述した3つの条件

(1)勉強を必要としないこと
(2)直感的であること
(3)簡単であること

 を満たしていると確信しております。

 しかし、このTOPIC方式(演技によるコミュニケーション)にも欠点はあります。

 それは、コミュニケーションの場所と時間が制約されるということです。紙やファイルのように一度に多くの人に伝達できませんし、何より保存ができません。これは、決定的な「弱み」です。

 それでも、私は、全世界共通のコミュニケーションの道具として、TOPIC方式をお勧めしたいのです。その有効性に関しては、非英語圏の国々を歩いてきた私が保証します。皆さんには、日々、演技の練習に励んでいただきたいと思います。

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