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SiCパワー半導体が300℃でも動作する基板構造アルミニウムの耐熱性に着目

昭和電工と大阪大学の菅沼克昭氏が推進するプロジェクトは2016年7月19日、SiC(炭化ケイ素)パワー半導体が300℃の高温域においても安定的に動作する基板構造を開発したと発表した。

» 2016年07月20日 13時30分 公開
[庄司智昭EE Times Japan]

アルミニウムの耐熱性に着目

 昭和電工と大阪大学は2016年7月19日、SiC(炭化ケイ素)パワー半導体が300℃の高温域においても安定的に動作する基板構造を開発したと発表した。

 今回の開発結果は、大阪大学の教授である菅沼克昭氏が中心となって推進する産学連携のプロジェクトによって得られたものである。菅沼氏は、アルミニウムの耐熱特性に着目してアルミ材料と実装技術を開発し、−40℃〜300℃の温度サイクル条件下でも欠陥が生じない材料構造を実現したという。

 昭和電工は、DBA(Direct Brazed Aluminum)基板と冷却器の材料開発、接合(ろう付け)、基板構造全体の放熱設計に携わっている。DBA基板とは、半導体を実装するアルミ層とセラミックス絶縁層を接合した、放熱性に優れた回路基板だ。同プロジェクトでは、セラミックスの材料として熱伝導率の高い窒化アルミを用いているとした。

大阪大学 菅沼研究室のWebサイトより

 昭和電工は、リリース上で「当社の多様な素材の設計・加工技術を生かして、耐熱性と放熱性に優れた新たな基板材料を開発する。また、実装後の評価技術を確立し、パワーモジュールの小型化、高出力化に向けたソリューションを提供していく」と語る。

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