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特集:IoTがもたらす製造業の革新〜進化する製品、サービス、工場のかたち〜
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» 2017年05月31日 11時30分 公開

Over the AI ―― AIの向こう側に(11):おうちにやってくる人工知能 〜 国家や大企業によるAI技術独占時代の終焉 (2/9)

[江端智一,EE Times Japan]

おうちでAI――DIY AI

 こんにちは、江端智一です。

 今回は、ちょっと趣向を変えまして、「おうちでAI ―― Do It Youself AI (DIY-AI) 」という観点からお話したいと思います。

 今や、パソコンの計算リソースは、20世紀最後のスーパーコンピュータ(スパコン)の性能を上回っており、少なくとも第2次AIブームのAI技術であれば、軽々と自宅のパソコンで実現できるレベルになっています。

 今回は、冒頭のような、ざっくりした比較ではなく、過去のデータや法則に基づき、できるかぎり正確に計算してみました。

 計算に際しては、第1次AIブームが終わりを迎えた時であって、パソコン用のCPUとしてインテル(Intel)が開発したワンチップのマイクロプロセッサ「4004」が登場した時期でもある“1970年”を基準に計算リソースの比較を試みました。

 まず、パソコンが搭載するメモリの容量を調べてみました。

 単純にムーアの法則にのっとると、メインメモリはざっくり27億倍程度になっていることが分かります。

 さらに、パソコンの頭脳であるCPU(中央処理装置)性能の推移も調べてみました。


 こちらも、100万倍を軽く上回る、すごい高速化が図られています。メモリやCPUには「冬の時代」はないのかと、正直ねたましい気持ちになります。

4700兆倍、賢くなっても、「ナンシー」が現れる兆候すらない

 さて、上記の2つのデータを用いて、以下のような計算をしてみました。

 第1次AIブームの時から、パソコンは頭が4700兆倍も良くなっていて、ほんの7年前からですら、100倍以上も賢くなっています。それなのに、AIの世界においては、ナンシー*4)が出現する兆候すらありません。

*4)参考記事:我々が求めるAIとは、碁を打ち、猫の写真を探すものではない

 そんなわけで、最近の私は、現在のコンピュータアーキテクチャを踏襲したままで、「人間の代わりとなる人工知能」を作るのは、もうダメなんじゃないかな、と思っているわけです。

 もっとも、「人間の代わりになる」というぜいたくを言わないのであれば、日進月歩で増え続けるコンピュータの計算リソースに対応しながら、AI技術も発展を続けてきたと思います。

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