次に紹介するのは、ペア薄膜の厚みを減らす手法である。「バーティカル・スケーリング(Vertical Scaling)」と呼ばれる。
ペア薄膜を構成する制御ゲート(ワード線)層と絶縁層の厚みを減らすと、同じペア数でも全体の高さが減少する。するとエッチングのアスペクト比が下がる。この結果、メモリホールのエッチングと成膜の技術的な難度が緩和される。
もちろん、課題はある。厚みを減らすと制御ゲート(ワード線)の電気抵抗と寄生容量が増大する。また、隣接するセル間の電気的な干渉が増加する。そして絶縁膜を薄くしても品質を維持する必要がある。こういった課題に対処しなければならない。
(次回に続く)
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