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人とくるまのテクノロジー展2019 特集
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» 2019年05月29日 09時30分 公開

トヨタ紡績、国内初出展:「人の感情を読み取るシート」で快適環境を実現

トヨタ紡績は、「人とくるまのテクノロジー展2019 横浜」(2019年5月22〜24日、パシフィコ横浜)で、乗員の感情を判断して車室内環境を快適なものに変化させる動的快適システム「Aces IUS」を国内初出展した。

[永山準,EE Times Japan]

 トヨタ紡績は、「人とくるまのテクノロジー展2019 横浜」(2019年5月22〜24日、パシフィコ横浜)で、乗員の感情を判断して車室内環境を快適なものに変化させる動的快適システム「Aces IUS」を国内初出展した。

自動運転レベル4に向けて

 AceS IUSは、乗員の声と脈拍情報からその感情を「喜怒哀楽」で判断し、光や振動や、音、香りを使って車室内の環境を変化させることで、快適な環境を実現するシステムだ。同社は、自動運転レベル4(高度自動運転)での利用を想定している。

展示された動的快適システム「Aces IUS」(クリックで拡大)

 具体的には、インストルメントパネルにある「イルミネーションの色」、オーバーヘッドコンソールから出る「香りの種類」や「再生されるヒーリング音楽」、そしてシートクッションの「振動によるマッサージ機能」を用いて快適な空間を作り出す。それぞれ、乗員の感情に応じて内容が変化することから「乗員一人一人に合わせた快適空間の提供が可能になっている」(同社説明担当者)という。

 「感情」の判断は、シートクッション下に設置している圧電センサーと、オーバーヘッドコンソール内のカメラによる脈波の計測情報や音声情報をもとに、同社の独自のアルゴリズムを用いて行うという。計測は常に継続されているため、感情に合わせてリアルタイムで環境が変化可能になっている。

左=オーバーヘッドコンソールのカメラによって、血流を分析する。また、音楽の再生や香りを出すシステムも備えている/右=デモでは、脈波などのデータから感情を推定する様子が確認できた(クリックで拡大)

 「anger(怒り)」や「sorrow(悲しみ)」という感情を推定した場合、ポジティブな感情になるように、環境を変化させるほか、変化後も、乗員がその環境に飽きないように、逆の感覚へ働きかける機能も持っている。あえて逆の感覚を与える理由について、同社の説明担当者は、「最初は快適だった環境も、慣れてしまうと効果が薄れてしまう。より快適な空間を作り出すには、変化も必要になる」と話していた。

 AceS IUSは現在、開発を進めている段階といい、説明担当者は、「2023〜2025年までの実用化を目指している」と話した。

光ファイバーを織り込んだ布も

 このほか、「光ファイバー表皮」も、参考出品されていた。光ファイバー表皮は、その名の通り光ファイバーを織り込んだ光る表皮だ。従来の間接照明とは異なる奥行きや透明感の演出が可能で、ドアトリムや天井など、車の内装での利用を想定しているという。

展示された光ファイバー表皮(クリックで拡大)

 同社は、福井県発祥の羽二重織物を源流とする織物技術によって、「通常織り」と「からみ織り」を融合させた新しい織り方を開発。「光ファイバーの屈面を最小限に留めることで、均一な発光を実現してた」という。また、光ファイバーに負担が少ない織り方のため、シンプルな柄からダイナミックな柄まで、さまざまなデザインが可能になっている。

 光ファイバー表皮は現在開発中で、「2023年ごろまでには実用化したい」(説明担当者)としている。

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