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» 2019年06月12日 11時30分 公開

製品分解で探るアジアの新トレンド(39):日本未発売スマホに搭載されたチップ、「HUAWEI」の刻印から分かること (1/3)

通常、半導体チップの開発には1年から数年を要する。だが、Appleの「Apple Watch Series 4」や、Huaweiの最新スマートフォンには、わずか1年前に開発されたチップが数多く搭載されているのだ。

[清水洋治(テカナリエ),EE Times Japan]
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 半導体チップは現在、ほとんどのエレクトロニクス製品の中でシステム、デバイスの両面でますます大きなウェイトを占めるようになっている。そういった背景から、弊社以外にも多くの分解解析調査会社が存在し、上記の仕組みからコスト、構成まで各種評価を行っている。

 独立した分析調査会社だけでなく、実際には各メーカーも内部に調査部門や解析センターなどを持っており、自社技術との比較や動向調査を行っている。つまり、各社とも膨大な分解結果を持っている。ただし、われわれのような調査分析会社は、評価結果の一部を、メディアを通じて多くの方にも公開しているが、メーカーは、よほどのことがない限り社内での分解調査結果を公表することはない。

 弊社は、その点では完全水平分業会社なので、得られた情報を多くの方に提供する。その内容は大きく5つに分けられる。まずは分解過程の情報。弊社は商品を梱包箱から出し、外観観察を経て分解の各工程を写真に撮り、レポート化する。鮭と同じで、“捨てるところはない”という心構えで写真を撮っている。Aを外して撮影、Bを取り出して撮影という風に分解を進めていく。

 2つ目は、取り出した電子基板の写真だ。基板の表裏、全体、端子を撮影し、さらに基板上の全チップを一個一個、パッケージに刻印される数字や文字が読める大きさに拡大して、くまなく撮影する。

 3つ目は取り出した基板上のパッケージチップ。チップを一つ一つ基板から取り外す。ここでパッケージと基板の接続端子数やパッケージサイズの測定を行う。取り外したチップは、この時点ではまだパッケージのままだ。内部がどうなっているかは分からない。

 4つ目は、薬品を使ってチップをパッケージから取り出し、顕微鏡で観察することだ。この時点でシリコンの大きさを測長し、さらに製造プロセスの判定を顕微鏡やSEMを使って行っている。

 5つ目は、回路構成の情報である。チップの配線層を、薬品を使って取り除き、トランジスタ回路をむき出しにして内部の回路構成(IP[Intellectual Property]の配置や構造、端子の形状、種類)を明確にしていく。上記5つの情報からデバイス、システムなどを解析し、レポート化している。

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