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HDD大手WDとSeagateの2019会計年度業績はいずれも減収減益に福田昭のストレージ通信(160)(2/2 ページ)

» 2019年08月26日 11時30分 公開
[福田昭EE Times Japan]
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安定なHDD事業と振れ幅の大きいフラッシュメモリ事業

 続いて四半期業績(売上高と営業損益(GAAPベース))の推移を見ていこう。2013年4月〜6月期から2019年4月〜6月期までの四半期をまとめてグラフにした。

 WDの四半期業績の推移を見ていくと、大きく違うのはSanDiskを買収する前と後である。SanDiskの業績は2016年7月〜9月期から組み込まれており、同期以降は四半期の売上高が大きく伸びている。買収以前の業績は、売上高と営業利益がともに、減少傾向にあることが分かる。

 買収以降は2017年に起きたフラッシュメモリの好況により、営業利益が大幅に伸びた。しかし2018年以降のフラッシュメモリの価格低下によって利益率は大幅に落ち込んでいる。直近の2四半期は連続で営業赤字に落ち込んだ。

Western Digitalの四半期業績推移。同社の公表資料から筆者がまとめたもの(クリックで拡大)

 Seagateの四半期業績の推移を見ていくと、季節要因による増減を繰り返しつつも、売上高が少しずつ減少していることが見て取れる。営業利益は2015年に大きく減少しているものの、赤字とはならず、2016年1月〜3月期を底に反転してきた。2016年〜2018年は売上高が増えていないにもかかわらず、営業利益は増加傾向にある。フラッシュメモリ事業に比べると、HDD事業は安定して利益を得られる事業であることがうかがえる。

Seagate Technologyの四半期業績推移。同社の公表資料から筆者がまとめたもの(クリックで拡大)

次回へ続く

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