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» 2019年10月17日 09時30分 公開

ロームがCEATECでデモを公開:まばたき厳禁! 秒速1mの超高速サーマルプリンタ

1秒間で1mという超高速印字を行うサーマルプリンタ(感熱式プリンタ)が「CEATEC 2019」(会期:2019年10月15〜18日)のロームブースで公開されている。

[竹本達哉,EE Times Japan]

 1秒間で1mという超高速印字を行うサーマルプリンタ(感熱式プリンタ)が「CEATEC 2019」(会期:2019年10月15〜18日)のロームブースで公開されている。解像度305ドット/インチ(dpi)で秒速1mという印字速度は、ロームの担当者によると、これまでの高速サーマルプリンタよりも2倍程度とし「群を抜いた速さを実現した」という。

 サーマルプリンタの印字速度は、サーマルプリントヘッドの性能で決まる。ヘッドの熱の上げ下げで印字する部分と印字しない部分を制御するため、いかに高速にヘッドの温度を上げ下げできるか、言い換えれば、ヘッドの熱伝導率の高さが印字速度を決める。「通常、印字する温度は200℃程度。感熱紙などが反応しない温度は100℃程度であり、100℃〜200℃の間でヘッドの温度を制御する必要がある」(説明員)

 これまでサーマルプリントヘッドには、セラミック系材料が用いられてきたが、ロームでは高速化のために「根本からヘッド材料を見直した」といい、新たな高熱伝導材料を適用し、305dpiで感熱紙に秒速1mという超高速印字が可能なサーマルプリントヘッドを開発した。新たな高熱伝導材料については「詳しくは明かせないが、半導体材料」(説明員)だとする。なお、開発したヘッドは感熱紙よりも熱転写性に優れたインクリボンを用いた場合、305dpiで秒速1.5mで印字できる性能を持つ。

開発したサーマルプリンタヘッド

 インクジェットプリンタなどでは、こうした高速印字は既に可能になっているが、運用コストが安く、インク交換不要でメンテナンス性に優れるサーマルプリンタに対する印字速度の高速化ニーズは日増しに高まっているという。「食品製造ラインなどのサーマルプリンタはこれまで、製造年月日など簡単な印字しかせず、そこまで高速性が要求されてこなかった。しかし、最近はトレーサビリティの確保のため、QRコードなど多様なデートコード情報を印字するようになり、高速性が要求されるようになった。高速印字で、さまざまな製造現場の生産性向上に貢献できるだろう」(説明員)と語る。

開発したサーマルプリンタヘッドの特長 (クリックで拡大) 出典:ローム

 開発したヘッドは、印字速度以外にも、サーマルヘッド取り付け時の印字許容角度が従来比2倍程度に拡大するなど取り扱いやすくなった他、耐腐食性も従来ヘッドよりも改善し長寿命化を実現したという。ロームでは既に今回の超高速サーマルプリンタを実現した新材料を用いたサーマルプリンタヘッド(型番:TH3002-2P1W00A[有効印字幅53.312mm、ドット数640ドット])のサンプル出荷を開始しており、2019年10月中に量産出荷を開始する予定。サンプル価格は6万円(税別)。

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