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» 2019年11月18日 10時30分 公開

NORはIoT機器などで採用進むか:NORフラッシュのSLC NANDへの置き換えが進む?

NOR型フラッシュメモリが微細化の限界に達しつつある中、キオクシア(旧東芝メモリ)は一部の用途において、プレーナ型SLC(Single Level Cell) NAND型フラッシュメモリが優れた代替製品になるのではないかと考えている。

[Gary Hilson,EE Times]

 NOR型フラッシュメモリが微細化の限界に達しつつある中、キオクシア(旧東芝メモリ)は一部の用途において、プレーナ型SLC(Single Level Cell) NAND型フラッシュメモリが優れた代替製品になるのではないかと考えている。ただしNORフラッシュは、消え去ってしまうわけではなく、別のユースケースに対応する方向に進んでいるところだ。

 キオクシアは2019年9月26日、フラットテレビやプリンター、ウェアラブル機器、ロボットなど高速データ転送を必要とする組み込みアプリケーション向けとして、SPI(Serial Peripheral Interface)と互換性を持ったSLC NANDフラッシュ「Serial Interface NAND」に第2世代品を追加すると発表した。第2世代品は、データ転送の高速化を実現すべく133MHzの動作周波数をサポートする他、プログラム動作時の×4モードに対応している。電源電圧は2.7〜3.6V、1.7〜1.95V。容量が1Gビット/2Gビット/4Gビット/8Gビットの8品種がある。

キオクシアは、第2世代の「Serial Interface NAND」を発表した(クリックで拡大)

 キオクシアのメモリ事業部門担当ディレクターを務めるBrian Kumagai氏は、「NORフラッシュは、これまで長年にわたり、ブートや低レベルのOSコードなどの保存に最適なメモリとされてきた。しかし、ソフトウェア要件が厳しくなり、スペースを多く取るようになってきたため、NORフラッシュを使用し続けると、NANDフラッシュよりもコストが高くなってしまう。容量が512Mビットを越えればコスト削減効果を得られるが、一部でメモリ管理を統合する作業が必要になるだろう。NANDフラッシュを使う場合でも統合する作業はわずかながら必要となるが、コスト削減効果を確実に得ることができる」と述べている。

 キオクシアでシニアスタッフアプリケーションエンジニアを務めるDoug Wong氏は、「3D(3次元) TLC(Triple Level Cell) NANDは、エンタープライズストレージなどの大型システムに向けた高密度製品として大きな注目を集めている。一方SLC NANDフラッシュは、テレビやゲーミングシステムなどのように、寿命が長いデバイスで低密度が求められる組み込みアプリケーション向けとして、耐久性やデータ保持などに最適な性能を提供する。これこそが、SLC NANDフラッシュが今なお存在し続ける理由の1つだ」と述べている。

 同氏は、「現在、NORフラッシュを使用している製品に対して、さらなる性能向上の実現が期待されていることから、記憶密度に対する要件がさらに厳しくなり、代替製品の導入が加速している。SPI SLC NANDフラッシュかどうかに関係なく、RAMまたは不揮発性メモリとして機能することができるためだ。将来的に、NORフラッシュを使う機会が減っていくのではないだろうか」と続けた。

 Forward Insightsの主席アナリストを務めるGregory Wong氏によると、NORフラッシュを使用する機会が減るというのは、微細化できないという問題に帰結する。NORフラッシュは高価で、ベンダーも少ない。SPIを備えたNANDフラッシュが(NORフラッシュの)オプションになるというのは、セットトップボックスやTVなどのスマート化が進み、ソフトウェアのコードの量が増えているトレンドを考慮すれば、理にかなっている。

NORでは、これまでとは違う用途も

 ただし、キオクシアのWong氏、Forward InsightsのWong氏とも、「NORフラッシュが使われなくなることはない」という見解で一致している。Forward InsightsのWong氏は、現在主に使われている用途でNORフラッシュの使用が減っても、NORフラッシュで十分だとする別のアプリケーションが出てくるだろうと述べている。特に、多くのIoT(モノのインターネット)機器でコードストレージに使用できる他、ワイヤレスイヤフォンなどの小型デバイスや、タッチスクリーンを搭載したデバイスにシリアルNORフラッシュが選択されている。

 キオクシアのGregory Wong氏は、NORフラッシュからNANDフラッシュに置き換える場合、SLCが最適であると述べている。SLC NANDフラシュは比較的、小容量のラインアップがあり、書き換え耐性やエラー訂正機能なども含め信頼性が高いからだ。「MLC(Multi Level Cell)やTLCに移行すると、性能や耐性の低下を感じることもある。SLC NANDフラッシュにこだわるユーザーは、いるのだ」(同氏)

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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