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» 2020年01月07日 11時15分 公開

ネットワーク処理をCPUからオフロード:次世代の車載ゲートウェイ向けプロセッサ、NXPが発表 (1/2)

NXP Semiconductorsは2020年1月6日、車載システム向けのコンピューティングアーキテクチャ「NXP S32プロセッシングプラットフォーム(以下、S32)」の新しいファミリーとして車載ネットワークプロセッサ「S32G」を発表した。

[村尾麻悠子,EE Times Japan]
車載ネットワークプロセッサ「S32G」

 NXP Semiconductors(以下、NXP)は2020年1月6日、車載システム向けのコンピューティングアーキテクチャ「NXP S32プロセッシングプラットフォーム(以下、S32)」の新しいファミリーとして車載ネットワークプロセッサ「S32G」を発表した。

 S32Gは、NXPが「サービス指向ゲートウェイ」と呼ぶ、新しいタイプの車載ゲートウェイを実現するためのプロセッサだ。車載ゲートウェイは、クルマとクラウド間をデータが行き来する時の関門であるが、コネクテッドカーではデータが“サービス”としてやりとりされるため、NXPでは「サービス指向ゲートウェイ」と表現している。

 ただ、この「サービス指向ゲートウェイ」を実現するには、処理性能やネットワーキング性能、セキュリティなどを強化したチップが必要になる。NXPの日本法人NXPジャパンの第一事業本部マーケティング統括部 車載マイクロコントローラ部でマネジャーを務める村田孝彦氏は、「既存の車載ゲートウェイに搭載されているプロセッサの処理性能は最大1000DMIPSくらいだが、サービス指向ゲートウェイには、その10倍となる1万DMIPSが必要になる」と述べる。「ネットワーキング性能もこれまでの10倍となるギガビットクラスのイーサネット(GbE)が必要だし、機能安全では既存のASIL BからASIL Dの対応が求められる。さらに、セキュリティでは、公開鍵インフラのサポートに加え、サイドチャネル攻撃に対する保護も欠かせない」(同氏)

左=「サービス指向ゲートウェイ」の概念。コネクテッドカーにおいて、クルマとクラウド間でデータ(=サービスとして提供されるデータ)のやりとりを行う/右=既存の車載ゲートウェイの性能と、サービス指向ゲートウェイに必要とされる性能の比較 出典:NXPジャパン(クリックで拡大)

ネットワーク処理を専用アクセラレーターで

 こうした要求に対応した製品がS32Gだ。16nmプロセスを採用し、ArmのCPUコア「Cortex-A53」と「Cortex-M7」を搭載する。Cortex-A53/M7ともに、ロックステップ機能に対応している。ハードウェアアクセラレーターとして、CANに対応する車載ネットワークアクセラレーターと、イーサネットパケットアクセラレーターを搭載している。これにより、CANやイーサネットでデータを送信する際、Cortex-A53/M7を使わずに済む。「メインのCPUを他のワークロードに割り当てられるようになる」(村田氏)

 ネットワークに関しては、CAN/CAN FDインタフェースを20本、GbEインタフェースを4本搭載する。

S32Gのファミリーの一つ「S32G274A」のブロック図。Cortex-A53が4コア、Cortex-M7が3コア搭載されている。S32Gで最も肝になるのは、右端の「Network Acceleration」の部分である。上が車載ネットワークアクセラレーター、下がイーサネットアクセラレーター 出典:NXPジャパン(クリックで拡大)

 S32Gでは4製品をそろえていて、上のブロック図にある「S32G274A」が最上位の品種。その他、コアの数を減らした3品種がある。「ただし、いずれもアクセラレーターは搭載する」(村田氏)

 S32Gは現在サンプル出荷中だが、既に大手自動車メーカー(当然ながら名前は明かさなかった)に採用されており、早ければ2022年モデルの自動車に搭載される可能性もあるという。

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