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» 2020年02月10日 11時30分 公開

これも次世代メモリの一つ?:ピン数の少ないDRAM、エッジAIをサポート

これまで次世代メモリに関しては、さまざまな議論がなされてきた。例えば、「IoT(モノのインターネット)の登場によって生み出されたビジネスチャンスにどう対応するのか」「SRAMのような高価格帯製品を選択せずに済む方法はあるのか」といった内容が挙げられる。Etronは、答えの一つが「低減ピンカウント(RPC:Reduced Pin Count)DRAM」だと考えているようだ。

[Gary Hilson,EE Times]

 これまで次世代メモリに関しては、さまざまな議論がなされてきた。例えば、「IoT(モノのインターネット)の登場によって生み出されたビジネスチャンスにどう対応するのか」「SRAMのような高価格帯製品を選択せずに済む方法はあるのか」といった内容が挙げられる。Etronは、答えの一つが「低減ピンカウント(RPC:Reduced Pin Count)DRAM」だと考えているようだ。

 Etronのバイスプレジデントであり、イメージング/メモリ製品開発部門担当チーフサイエンティストを兼任するRichard Crisp氏は、「当社のDRAMは、JEDECロードマップに沿った既存のアーキテクチャとは異なり、高密度化や高速な転送速度、DDR4の帯域幅といった要件は全て不要な、さまざまなアプリケーションに対応することが可能だ。アプリケーションの中には、メモリ使用量が1Gビット未満とかなり少ないものが数多く存在するため、使い勝手に優れた適切なサイズのメモリだけを使用するということについて関心が高まっている」と述べている。

 同氏は、「当社はこうした状況を受け、アプリケーションのニーズに対応すべく、一般的なDDRメモリのピン数を削減しながら、必要最低限のDRAMを提供する方法を模索してきた。当社が、実装面積が小さくピン数の少ないメモリを開発している間に、世界ではAI(人工知能)への関心が高まってきた。当初は、AIのことはあまり考えずに開発に着手したが、このような状況から、非常に興味深いソリューションを考え出すことができた」と述べる。

 一般的なAIシナリオでは、エンドポイントでデータを収集してクラウドに送信し、両方のエンドポイントを相互接続する大規模なネットワークレイヤーで処理を行う。一方でCrisp氏は、「Etronは、“エンドポイント”と“エッジ”を区別したいと考えた。エンドポイントが、外界からデータを収集するセンサーとして、そしてエッジがローカルの集中型コンピュータとして機能することにより、複数センサーのデータの統合を一部実行して、高性能なメディアプロセッサと共通のストリームにすることができる。このエッジコンピュータは、ストリーム上で独自の分析を行ってから、一部の情報をクラウドに送信するため、エンドポイントよりも高い性能を必要とする。ただし、一部でサイズに関する制限がある」と述べている。

 同氏は、「そこでEtronは、RPC DRAMでAIエッジアプリケーションをサポートするという答えを出した。AIエッジアプリケーションには、データを迅速に処理できるよう、参照画像などの相当量のデータストレージや、十分な高帯域幅が必要なためだ」と述べる。

EtronのRPC(低減ピンカウント) DRAMは、超小型のFI-WLCSP(Fan In Wafer-Level Chip-Scale Package)にも搭載できるほど小さい 画像:Etron(クリックで拡大)

 Etronの製品に可能性を見いだしたのはLattice Semiconductor(以下、Lattice)である。同社の戦略担当マーケティングディレクターであるKambiz Khalilian氏は、同社がRPC DRAMを採用した理由として、その非常に小さなフォームファクタを挙げた。

 同氏は「一般的に、RPC DRAMは標準的なDRAMと同等の性能をもたらすが、ピン数は少なくなる」と述べた。これは、Latticeがサポートする多くの“ディープエッジ”なアプリケーションにとって理想的なのだという。そうしたアプリケーションでは、性能とのトレードオフが重要になってくるからだ。RPC DRAMによって、全てのデータをクラウドに送信するには帯域幅が足りないところでも、低消費電力でデータを処理できるようになる。

 Khalilian氏は、いくつかのアプリケーションでは、LatticeのFPGAに搭載されているよりも多くのメモリが必要になるとし、「RPC DRAMはそうしたシナリオで役立つ」と述べた。例えば、多くのエッジカメラアプリケーションでは、わずか数平方ミリメートルの実装面積の違いが重要になってくる。

 Objective Analysisの主席アナリストであるJim Handy氏は、顧客が同技術に利点を見いだし、製品に取り込んだという事実は、Etronが提唱するコンセプトが潜在性を備えていることの証であると述べた。EtronのRPC DRAMではピン数が少ないシリアルインタフェースが採用されているが、それは業界が向かっている方向でもある。

 EtronのRPC DRAMでは、「エッジで、より多くのデータを処理する」という新たに出現したユースケースに対応するため、比較的低密度な既存のDRAMが用いられている。それにより、デバイスとサーバ間で要求される帯域幅を最小限に抑えることができるとHandy氏は説明した。

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