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» 2020年04月21日 11時30分 公開

福田昭のデバイス通信(241) 2019年度版実装技術ロードマップ(51):代表的なMEMSセンサーとその応用(後編) (1/2)

MEMSセンサーを前後編で紹介している。後編となる今回は、圧力センサーと傾斜センサーについて解説する。

[福田昭,EE Times Japan]

加速度と角速度に続き、圧力と傾斜のセンサーを紹介

 電子情報技術産業協会(JEITA)が発行した「2019年度版 実装技術ロードマップ」に関する完成報告会(2019年6月4日に東京で開催)と同ロードマップの概要をシリーズでご報告している。今回はその第51回である。

 本シリーズの第31回から、第4章「電子部品」の概要を説明してきた。第4章「電子部品」は、「4.1 LCR部品」「4.2 EMC対策部品」「4.3 センサ」「4.4 コネクタ」「4.5 入出力デバイス」の5つの節に分かれる。第45回からは、「4.3 センサ」の概要を紹介してきた。

2019年6月4日に東京で開催された「2019年度版 実装技術ロードマップ」完成報告会のプログラム。本シリーズの第31回から、第4章「電子部品」(プログラムの8番)の概要を紹介している。出典:JEITA(クリックで拡大)
第4章第3節「4.3 センサ」の目次詳細。ロードマップ本文から筆者が書き出したもの。なお下線部は、今回で説明する部分を指す(クリックで拡大)

 前回から、代表的なMEMSセンサーとその用途を前後編でご説明している。前回(前編)は「加速度センサー」と「ジャイロセンサー(角速度センサー)」を紹介した。今回(後編)は「圧力センサー」と「傾斜センサー」を解説する。

気圧計や高度計、高低差検出などに使われる圧力センサー

 MEMS技術による圧力センサーには、大別すると「ピエゾ抵抗方式」と「静電容量方式」がある。また測定する物理量では、圧力差を検出するタイプ(差圧タイプ)と絶対圧を検出タイプ(絶対圧タイプ)に分かれる。いずれもMEMS技術によってシリコン(Si)のダイアフラム(薄膜振動板)を中空に形成し、ダイアフラムの表面と裏面の圧力差によってダイアフラムがたわむことを利用して圧力を測定する。

 ピエゾ抵抗方式は、ピエゾ抵抗素子(変形すると抵抗が変化する素子)をダイアフラムに取り付けてある。ダイアフラムがたわむとピエゾ抵抗素子が伸縮して電気抵抗が変化する。この抵抗変化を検出して圧力に変換する。

 静電容量方式は、ダイアフラムと中空部の対向面に電極を形成する。ダイアフラムがたわむと、ダイアフラム電極と対向電極による静電容量が変化する。この容量変化を検出して圧力に変換する。

 差圧タイプはダイアフラムの表側と裏側の圧力の差を検出する。絶対圧タイプは基準圧力室を備えており、基準圧力と検出圧力の差から、絶対圧を算出する。

 MEMS技術による圧力センサーは通常、MEMSセンサー素子のダイとASICダイで構成する。ASICダイは信号調整回路やアナログデジタル変換回路などを内蔵する。

 MEMS圧力センサーの用途は幅広い。気圧計、高度計、水圧計、液圧計、荷重検出、インドア(室内)における高低差検出などがある。

ゲルで封止することによって高い防水性能を備えたMEMS圧力センサーの断面構造。STMicroelectronicsが開発した「LPS33W」。出典:同社の製品データシート。なおこの図面は実装技術ロードマップには掲載されていない(クリックで拡大)
「LPS33W」の外観。ピエゾ抵抗方式による絶対圧タイプの圧力センサーである。測定範囲は260〜1260hPa(ヘクトパスカル)、絶対測定精度は±1.5hPa。発売は2019年3月。出典:開発企業であるSTMicroelectronicsの製品データシート。なおこの図面は実装技術ロードマップには掲載されていない
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