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HDD大手Western Digitalの業績、前年同期比の営業利益が4四半期連続で増加福田昭のストレージ通信(176)(1/2 ページ)

今回は、米Western Digital(WD)の2021会計年度第2四半期(2020年10〜12月)における業績を報告する。

» 2021年02月05日 09時30分 公開
[福田昭EE Times Japan]

前年同期比の売上高は2四半期連続で減少

 ハードディスク装置(HDD)の大手ベンダーである米Seagate Technology(以降はSeagateと表記)と米Western Digital(以降はWDと表記)が、四半期の業績を相次いで公表した。発表日(現地時間)はSeagateが2021年1月21日、WDが同年1月28日である。そこで前回はSeagateの四半期業績をご説明した。今回はWDの四半期業績をご報告する。

 WDの会計期間もSeagateと同様に7月から始まり、6月を決算月とする。1月28日にWDが発表したのは2020年10月〜12月の四半期業績で、会計年度では「2021会計年度第2四半期」となる。

 2021会計年度第2四半期(2020年10月〜12月期)の売上高は前四半期比(前期比)0.535%増、前年同期比6.9%減の39億4300万米ドルである。前期比では3四半期ぶりにわずかながらも増加に転じた。前年同期比は前期に続いて減少した。

 2021会計年度第2四半期(2020年10月〜12月期)の営業利益(Non-GAAPベース)は前四半期比(前期比)6.2%増、前年同期比3.0%増の3億4300万米ドルである。前期比は前の四半期が5四半期ぶりの減少だったものの、今期は増加に戻した。前年同期比は4四半期連続の増加である。粗利益率は26.4%で前期の26.3%とほぼ同じ。売上高営業利益率は8.7%で前期の8.2%から0.5ポイント上昇した。

2021会計年度第2四半期(2020年10月〜12月期)の業績概要(Non-GAAPベース)。出典:Western Digital(クリックで拡大)

エンタープライズが縮小、クライアントは拡大

 2021会計年度第2四半期(2020年10月〜12月期)の概況としては、前の四半期に続いてエンタープライズ分野からの要求が弱く、ストレージの販売額がさらに縮小した。これに対してクライアント分野ではテレワークとオンライン学習の広がりによってデスクトップPCとノートPCがHDDの需要をけん引した。

 注目すべき出来事としては、エネルギーアシスト磁気記録HDD(ePMR HDD)が米国のクラウドサービス大手4社の中で3社の認証を獲得した。またニアライン向けでは記憶容量が18TBと大きなHDDが2021年(暦年)後半には主流になる見通しである。第2世代のエンタープライズ向けNVMe SSDの顧客による認証は、150社に近づいた。その中でクラウド大手1社の認証が完了しており、2021年度第3四半期(2021年1月〜3月期)には出荷を始める予定である。クライアントSSDでは、112層のメモリセルを積層した第5世代(BiCS5)の3D NANDフラッシュを内蔵するSSD製品の出荷を開始した。

Western Digitalの四半期業績推移。同社の公表資料から筆者がまとめたもの。なお営業利益はGAAPベースなので、業績概要のスライド(Non-GAAPベース)とは数値が一致していない(クリックで拡大)
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