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» 2021年02月26日 14時30分 公開

NXPやInfineonがテキサスの停電で生産を停止米国の大寒波(1/2 ページ)

米国の主要なエネルギー供給地域であるテキサス州での突然の寒波が停電を引き起こしたことを受けて、同州にあるSamsung Electronics(以下、Samsung)、NXP Semiconductros(以下、NXP)、Infineon Technologies(以下、Infineon)の工場が操業を停止した。

[Alan Patterson,EE Times]

NXP、Samsung、Infineonが生産を中止

 米国の主要なエネルギー供給地域であるテキサス州での突然の寒波が停電を引き起こしたことを受けて、同州にあるSamsung Electronics(以下、Samsung)、NXP Semiconductros(以下、NXP)、Infineon Technologies(以下、Infineon)の工場が操業を停止した。

画像はイメージです

 これらの半導体企業は2021年2月16日ごろ(米国時間)、Austin Energyが電力供給の停止を通知したのを受けて、テキサス州オースティンでの製造を停止した。

 NXPが報道発表資料の中で述べたところによると、オースティンの電力供給事業者は住宅地、重要な医療、安全、福祉に向けた電力供給を優先しているようだ。その結果、NXPの2拠点を含め、複数の半導体メーカーがオースティンに置く工場への電力が停止されたという。地元新聞のAustin American-Statesmanは、Samsungの広報担当者であるMichele Glaze氏が「事前の通知があったことから、製造施設ならびに生産中のウエハーに対して適切な手段を安全に講じることができた」と述べたと伝えた(参考)。

 Semiconductor AdvisorsのプレジデントであるRobert Maire氏は、EE Timesへのメールの中で「シリコンウェハーの生産量と精密な生産設備への影響は、秩序だったシャットダウンによって最低限に抑えられた可能性がある」と述べた。

 「通知が(電力停止の)数時間前だったら、大半のウエハーを装置から取り出し、電源を系統立てて切っていくような“穏やかな”シャットダウンをすることができただろう。それにより、ウエハーの廃棄や装置のダウンタイムを最低限に抑えることができたはずだ」(Maire氏)

 Maire氏によると、工場への送電が復旧するには、最良の状況でも1週間ないし2週間はかかるという。停電がより長期間に及び、製造施設や装置が冷えてしまったら、問題はさらに悪化する可能性がある。加えて、Maire氏は、施設内部の空調は湿気の面で高度に制御する必要がある上に、ほこりも除去されていなければならないが、停電によってそれらができなくなっていることにも言及した。

 なお、本記事の公開後、Infineonは米国EE Timesにメールで「地元当局から、当社がオースティンに置く製造施設への電力が切られるとの連絡を受けた。そのため、数時間かけて停電に向けた準備をすることができた他、施設を安全な状態へ置き、従業員と生産在庫を守ることもできた。重要な安全システムについては、非常用発電機を用いている」との返答があった。

 何十億米ドルものコストがかかる半導体工場では、企業は利益を最大化するために基本的には24時間操業を維持する必要があるが、それは単純なタスクではない。そうした工場は、環境条件に敏感な、極めて精密な設備や装置を備えているからだ。

 Maire氏は「最先端の工場では、装置を24時間稼働させるため、温度を上げて調整するのに多くの時間を要する。中でもリソグラフィ装置は特に時間がかかる」と述べた。EUV(極紫外線)やDUV(深紫外線)露光装置のレンズは、短時間でも温度が制御範囲外になってしまった場合、温度を調整してキャリブレーションを行い、安定させるにはかなりの時間がかかるのだ。

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