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» 2021年04月26日 11時30分 公開

減ることのない半導体/電子部品偽造 ―― リスク承知の購入は危険半導体製品のライフサイクルに関する考察(3)(2/3 ページ)

[Rochester Electronics,EE Times]

半導体製品をリスク承知で購入すべきではない

 一般的に、半導体を購入する場合は、半導体メーカーが認定する販売代理店から購入する。しかしながら、購入すべき製品が不足する場合、認定されていない販売代理店から購入するというようなことも起こっている。まれなケースとしては、必要な部品の価格が認定代理店よりも大幅に安い場合は、認定されていない販売代理店から購入することも生じているとされる。

 この認定されていない非正規販売代理店からの購入にはさまざまな懸念点がある。そして、企業の購買担当者は、この懸念点をあらかじめリスクとして認識している。リスクを承知の上で、市場から購入しているわけだ。そして、その結果として購入品の中に、偽造部品や規格外品があったなどの懸念していた被害を受けるという経験を何度もしているという。

 あるケースでは、新品として購入した製品に、はんだペーストが付着。購入品はプリント基板から引き抜かれたリサイクル部品だった。このケースは、通常購入していた販売代理店に在庫がなく、しかも、購入時の価格が、通常購入していた価格よりも安かったため、オリジナル半導体メーカーに認定されていない販売代理店から購入したため生じた。

 今日、企業の購買担当者の多くは、これまで取引したことがない、または認定を受けていなかった販売代理店から半導体製品を購入することは、ほぼない。販売代理店が過去に規格外品や偽造品を販売していたという情報を入手した場合、その代理店から購入することもない。

 しかしながら、半導体製品の供給状況が悪くなり、認定されていない販売代理店から購入せざるを得ない場合もある。その場合は一般的に、注文書を発行する前に、この販売代理店に対して厳格な認定プロセスを経るだろう。

 昨今、偽造者による偽造技術が高度になり、偽造品を検出するのがより難しくなっているため、このような堅固な評価は不可欠である。

 偽造コンポーネントのレポートのデータベースを維持、管理する組織であるElectronic Resellers Association Inc. (ERAI)によると、2019年には偽造品などの不適合品取引の事例が963件報告された。2011年から2016年の間では、毎年1000件以上の報告があった。偽造品は過去のものでは決してなく、最近になっても以前と変わりなく多くの偽造品が出回っている。

 偽造品の多くは、先に述べた例のように、使用済みの半導体製品を、新しい半導体製品として販売している再生部品である。また、偽造者が半導体製品を複製しているケースもあることが分かっている。これは、データシートなどからオリジナル半導体に搭載されている機能や仕様をロジックなどで実現させ、同じパッケージに仕上げている。この偽造品は、外観上は真正品と同じ。いくつかの機能は備えているが、全ての機能が搭載されているわけではない。したがって、簡単な検査では偽造品かどうか判断できない。機器に実装し、すべての機能を確認しない限り偽造品であることが分からない。こうした複製は、投資対効果を考え、単価の高い製品に対して行われることが多い。

 製品そのものは正規のメーカー製品だが、機能や仕様的には劣った製品を使用し、高性能な製品として偽る偽造方法も存在する。偽造者は、低価格な低性能品を、正規流通網から購入する。そうして購入したパッケージ表面にマーキングされている元の製品番号を削り取り、表面を再コーティング。主要な半導体メーカーのロゴと、安価な製品よりもはるかに高い機能を持つ上位製品の製品番号をマーキングして販売する。例えば、アクセススピードの遅いメモリの型番を書き換えて、速いアクセススピードの製品に偽造するなどして市場で販売している。

 悪質なケースでは、デュアル・インライン・パッケージ(DIP)や薄いスモール・アウトライン・パッケージ(TSOP)のような半導体パッケージに、外観上は通常のパッケージとマーキングが施されているが、その中にはダイが搭載されていないということがある。これは外観上、パッケージは新しく、使用された形跡もないため、まったく新品のように見える。だが、製品番号が刻印されているだけの中身のないパッケージであり、全く機能しない。

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