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» 2018年01月22日 11時30分 公開

世界を「数字」で回してみよう(46) 働き方改革(5):あなたは“上司”というだけで「パワハラ製造装置」になり得る (3/12)

[江端智一,EE Times Japan]

30年も前に完成していたテレワークの環境

 まず、政府の実行計画に記載されている、SOHO、在宅勤務、いわゆるテレワークとは、「毎日、オフィスに来なくたって、仕事はできるでしょう?」という、至極当たり前の施策です。

 実際に、ノマドワーカー*)や在宅勤務は、近年のPCの小型化、高性能化、そしてネット環境の充実と、仕事の電子化(「ワード」「エクセル」「パワーポイント」)と、そして、今や、タダ同然のIP電話、会議システムによって、オフィスに出社する意義は、劇的に失われつつある ―― ハズなのです。

*)ノートPC、スマートフォン、タブレット端末などを使い、無線LAN環境のある喫茶店など、通常のオフィス以外のさまざまな場所で仕事をする人のこと。

 ITエンジニアである私は、IP電話、会議システムの技術についてはそこそこ詳しいです。これらの製品は既に30年も前に完成していたにもかかわらず、驚くほど利用率が悪かったのです。

 しかし現在、IP電話は、個人利用においては普通に使われるようになっています。実際、若者は、場所を問わず、スマートフォン(スマホ)で「Skype」や「LINEフォン」などを使って、通話料無料の電話を使い倒しています*)。IP電話の許権が、近年ことごとく消滅(出願(×特許査定)から20年)していることも関係しているかもしれません。

*)例えば、私の娘は2017年の3月、台湾のホテルにいながら、LINEフォンで友人が大学に合格したという連絡を受けていました。しかし、かつて国際電話というのは、本当に本当に大変だったんですよ。例えば、30年前のモンゴル自治区から日本に電話する時などは、前もって時間を予約して、所定の場所に出向いてですね……(以下、単なる年寄りの愚痴)

 一方、企業における、いわゆる「テレワーク」は、ほとんど普及していません。「テレワーク」の設備および運用コストなんぞ、スマホとPCのディスプレイがあれば十分で、一昔前と比較してみれば、タダみたいなものです。つまり、環境は完璧に整っているはずなのに、私たちは一向に「テレワーク」を使おうとはしていない ―― ということになります。

 テレワークが、ホワイトワーカーの10%でも定着すれば、その効果は計り知れません。朝の電車やバスの通勤ラッシュは、劇的に改善されるハズです。

 しかし、いまだに、首都圏の私鉄では、輸送量増強のために、路線の複々線化が進められているくらいです*)

日本の人口減少は、都心部への人口増加を促しています。この話は別の機会にでも。

 日本人がテレワークを忌避する理由について、江端の仮説を以下に記載しておきました(検証のない単なる仮説ですので、読み流していただいて結構です)。

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