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» 2018年09月07日 13時30分 公開

90年代から開発着手も:EUVプロセス開発、けん引役をTSMCに譲ったIntel (1/2)

技術開発をリードするごくわずかな半導体メーカーは、2019年にはEUV(極紫外線)リソグラフィによって、半導体のトランジスタ密度がその物理的限界にさらに一歩近づくと断言している。かつて世界最大の半導体メーカーだったIntelは、EUVで先頭に立とうとすることを諦めたようだ。

[Alan Patterson,EE Times]

 技術開発をリードするごくわずかな半導体メーカーは、2019年にはEUV(極紫外線)リソグラフィによって、半導体のトランジスタ密度がその物理的限界にさらに一歩近づくと断言している。

 かつて世界最大の半導体メーカーだったIntelは、EUVで先頭に立とうとすることを諦めたようだ。同社は1990年代終わりにEUV開発に初めて着手した企業の一つである。

 Bernsteinでアナリストを務める電子エンジニアのMark Li氏によると、Intelが近いうちにEUVを導入する予定はないという。Intelは、10nmプロセスの生産拡大に苦戦していて、今から数年後の実現を見込んでいたEUVを導入した7nmプロセスでは課題も残っているという。

 一方、Samsung Electronics(以下Samsung)とTSMCは、慎重にではあるもののEUVを推し進めている。両社が2019年の導入を目指してEUVを開発中であるのに対し、それ以外の主要な世界的半導体メーカーは後れを取っているようだ。

 今のところIntelは、EUV開発レースで(2位と大差のある)3位にあるといえるだろう。

 Susquehannaでアナリストを務めるMehdi Hosseini氏は、「Intelは製造分野でのリーダーシップを事実上失った」と述べた。

 GLOBALFOUNDRIESは2017年、2019年には生産フローにEUVツールを導入し、回路の接続やマスクのカットを行う計画を明らかにしていた。

 Li氏によると、Samsungは最新ノードの7nmでTSMCに後れを取る形になるが、EUVを取り入れたものになるという。TSMCの改良版7nmプロセスである「7nm+」は、もう少しあとに導入される予定で、そこではEUVを導入するレイヤー数がより少ないとする。Li氏は、EUVを使用するプロセスと使用しないプロセスの両方を展開するという柔軟さは利点になると述べた。

 SusquehannaのHosseini氏によると、Samsungが7nmプロセスでは少なくとも8〜10のレイヤーにEUVを導入することを計画してきたのに対し、TSMCの7nm+でEUVを適用するレイヤーの数は、それよりも少なくなるとする。

Intelは、もうしばらく静観か

画像はイメージです

 Intelは、EUV技術がより成熟するまで静観し、チャンスをうかがっている可能性がある。

 2017年、IntelはEE Timesに対し、EUV技術が効率的なコストで利用できるようになったらすぐにEUVを生産に導入すると断言した。Bernsteinの予測によると、IntelがEUVを導入するのは2021年末になる見込みだという。

 Hosseini氏は、「Samsungは、攻めの計画が裏目に出たようだ。同社の顧客は7nmプロセスを切望してはいない」と語った。

 同氏は、「Susquehannaは、GLOBALFOUNDRIESが7nmノードでけん引力を発揮したとは考えていない」とも述べている。GLOBALFOUNDRIESは結局、7nmノードの開発を中止した。同社は、従業員の5%未満に当たる人数を解雇し、ASICグループを完全子会社化することで、7nmプロセスを手掛ける他のファウンドリーと提携できるようにすると発表した。

 BernsteinのLi氏は、「半導体業界はEUVリソグラフィの導入に慎重な姿勢を取っているが、このことは、TSMCのAppleとのビジネスにはほとんど影響がないとみられる」と述べている。

 同氏は、「Appleは、2018年はEUVを導入しない可能性が高い。TSMCからAppleへのプロセッサの独占供給は続くと予想されているが、それがTSMCのEUV計画に悪影響を及ぼすことはないと考えられる」とも述べている。

 Li氏によると、「モバイル向けプロセッサやGPU、仮想通貨マイニング用チップなどで、7nm+に関心を持つ顧客が多い。TSMCは、こうした顧客の期待に応えるために、2019年後半に量産プロセスにEUVを導入する用意がある」という。

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