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» 2019年09月06日 11時30分 公開

イノベーションジャパン 2019:エッジAI、水中での無線給電 500超の研究成果を披露 (2/4)

[永山準, 村尾麻悠子,EE Times Japan]

水中で電力とデータを伝送

 豊橋技術科学大学の田村昌也准教授らは、電力と通信を同時に伝える水中無線伝送システムについての開発結果を展示した。「水中では難しい」といわれていた電界結合方式によるワイヤレス電力伝送を実現している点が、最大の特長だ。伝送距離20mmにおいて、1kWを90%の効率で伝送することに成功したと、田村氏は述べる。さらに、カメラで撮影した映像を水中を介して100Mビット/秒で送信するデモも披露していた。

 水中の配管や橋梁のヘルスモニタリングの他、海底資源探索や断層調査向けの水中ドローン、無人潜水艇のワイヤレス給電に応用できる可能性がある。「これまで水中のワイヤレス給電で一般的に使われる磁界方式では、シールドやガイド(フェライト)が必要になり、重装備になる。しかも、位置ずれにも弱いという課題があった」(田村氏)

左=水中でワイヤレス給電を行い、受電した電力でモーターを回して、マーライオンの口から水を流している/中央=受電電極と送電電極がこれだけずれていても、問題ない/右=カメラで撮影した動画データを、水中を介して伝送している(クリックで拡大)

再構成可能なAIプラットフォーム

 熊本大学 大学院先端科学研究部 情報・エネルギー部門教授の飯田全広氏らは、再構成可能(リコンフィギュラブル)なAIプラットフォーム「Re2NA」のデモを展示した。日進月歩のDNN(ディープニューラルネットワーク)アプリケーションを即座にハードウェア化することを狙った技術で、PE(Processing Element)のメモリを書き換えることで、さまざまなDNNに対応できるようになる。プロトタイプとして展示したものは、畳み込み層、プーリング、活性化関数といった複数のDNNに対応しているという。

 同技術は、エッジでの推論をターゲットとしたもので、エッジコンピューティングに必要な要素である電力効率と柔軟性の両立を目指すもの。バッテリー機器にも搭載できるような電力効率を目指すとしている。演算性能のベンチマークとしては、2.0TOPS/W以上を目指しているという。

会場では、ディスプレイに取り付けたカメラで画像を認識し、FPGAに実装したRe2NAでCNNを処理して、写真の物体/動物を推論するというデモを行っていた。中央の画像では「トラック」、右の画像では「ネコ」が正しく認識されている(クリックで拡大)

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