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» 2019年09月06日 11時30分 公開

イノベーションジャパン 2019:エッジAI、水中での無線給電 500超の研究成果を披露 (3/4)

[永山準, 村尾麻悠子,EE Times Japan]

高周波帯で低損失の無線電力伝送技術

 山梨大学の准教授、關谷尚人氏らのグループは、開発中の超高Q値コイルによる遠距離高効率の無線電力伝送技術を紹介していた。既存の超伝導線材では、高周波帯で損失が大きく、また、マイクロ波帯では銅などと比べ損失が小さい超伝導薄膜基板も大面積化が困難かつ平面構造しか実現できないなどの課題があった。

 關谷氏は、この2つの間に位置する『高周波帯でも低損失を実現できる高周波用超伝導線』の開発を進めており、重ねたハステロイの両面に超伝導と銀の層を配置するなどの新たな構造によって、既存の銅線材と比べ10倍近いQ値を実現したという。開発した超伝導線によって、従来の10倍以上の伝送効率実現が可能という。同グループは、高機能な内視鏡カプセルへの給電などの応用を構想しており、「アプリケーションの応用に向け、企業と実証していきたい」としている。

左=会場では、無線電力伝送システムのデモンストレーションを展示していた/右=構造を工夫することで、飛躍的な改善を実現したという

量子ドットでOCTの高性能化

 和歌山大学システム工学部准教授、尾崎信彦氏のグループが展示していたのは、「生体、医療イメージングに利用可能な近赤外線広帯域光源」だ。光の干渉性を利用してサンプルの内部構造を撮影する「OCT(Optical Coherence Tomography:光干渉断層撮影)」は医療検査などで利用されている技術だが、同グループは、この高性能化に向け、ナノサイズの構造を持つ半導体である「自己組織化InAs(ヒ化インジウム)量子ドット(QD)」を用いた「QD-SLD(QD-based superluminescent diode)を開発している。

 同グループは、自己組織化量子ドットが持つサイズ分布の性質を生かすことで、近赤外波長帯(1〜1.3μm)の広帯域発光を実現。チップ、モジュール化したうえで既存市販のSLDと比較したところ、市販品の2倍以上の発光帯域、約4倍の分解能という性能を発揮したという。

左=QD-SLDと市販SLDの性能比較/右=のそれぞれで取得したOCT画像の比較(キャベツの層の画像)。QD-SLDの画像のほうが、層が鮮明に見えている

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