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» 2013年03月28日 08時00分 公開

「英語に愛されないエンジニア」のための新行動論(16):ホテルは“最後の戦場”である (2/5)

[江端智一,EE Times Japan]

 ホテル戦は、さらに「(a)ホテル接収戦」「(b)現地視察戦」「(c)リハーサル戦」の3つに分けられます。

戦いを左右する、“拠点”選び

 まず、「(a)ホテル接収戦」においては、兵站拠点の特定、すなわち宿泊ホテルの選定を始めます。

 言うまでもありませんが、日本にいる段階でホテルを選定しておく必要があります。この選定を旅行会社に丸投げしたら、その時点であなたの負けは決定です。兵站の拠点を人任せにするような兵士(兵站工兵)に勝利はありません。いわんや、現地でホテルを探すというのは、論外です。

 最初に、訪問先の顧客のオフィスをGoogle マップで特定します。そして、その場所から半径4km以内のホテルを全てピックアップします。これは、交通機関の事故などが発生した場合でも、徒歩で1時間以内に到着できることを保証するためです。

 次にホテルを特定します。当然、観光シーズンなどに当たった場合は、予算に見合わない高額な宿泊料金のホテルしか見つからない場合もあると思います。しかし、4kmルールは絶対と考えてください。兵站拠点と戦場の距離は短いほどよく、忘れ物があっても、すぐに取りに戻れるという安心感もあります。

 なお、最近は電話だけでなく、インターネットでもホテルを予約できるなど、ずいぶん便利になりました。国際電話で予約の再確認(リコンファーム)をする必要も特にないでしょうが、予約の確認書のハードコピーを複数印刷して、全部の手荷物に突っ込んでおくとよいでしょう。

チェックインは、日本人に対する“誤解”を活用する

 次に、その特定した兵站拠点の接収(チェックイン)を行います。

 私の経験上、海外でのホテルの予約は、日本では考えられないくらい、かなり高い確率で失敗するか、その予約の内容が勝手に変更されているのが常です。予約のハードコピーを見せても、ホテルのフロントは、平気で「申し訳ないが満室だ」といい、さらにひどいホテルになると「そんな予約は知らん」と言い張ります。

 「英語に愛されないエンジニア」である私たちが、その資質を最大限に発揮できる場面はここです。

 何を言われようとも、みじろぎせずに、じーっとフロント係の目をみつめます。無感動な目で、感情を表わさないように、そして何もしゃべってはなりません。「私は、あなたのしゃべっている英語がさっぱり分かりません。さっさと部屋のキーカードをください」と目で語ればよいのです。

 「無表情な日本人が何を考えているか分からない」という認識(誤解)は、先人達の努力(黒澤映画、カラテ、ニンジャ、武士道に関わる各種のコンテンツ)によって、ある程度グローバル化されています。

 例えば、私の場合、米国で目をつむって考え事をしていた時に、「瞑想(meditation)されているのですね」と(ウルウルした)憧れの目で言われたこともあります。上海、デリー、ロンドンでは、合気道の構えをして正面からにらみつけただけで、やばそうなアンチャンたちを追っ払えたこともあります(ただしこれは例外。正解は「逃げる」です)。私の同僚の一人は、米国で「お前たちは日本人というだけで、『強い』と思われている。ズルいではないか」と言われたそうです(本当)。

 このような、日本人に対するインターナショナルな誤解は、積極的に活用(悪用または濫用)すべきです。

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