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半導体業界のトレンドは「3次元化」が明確に VLSI 2019過去最高の出席者数で大盛況(1/4 ページ)

2019年のVLSIシンポジウム(以下、VLSI)が6月9〜14日に、京都のリーガロイヤルホテルで開催された。今後の半導体業界の進む方向性を伺える内容が多かったのでレポートする。

» 2019年06月20日 11時30分 公開

過去最高の1244人が参加

 2019年のVLSIシンポジウム(以下、VLSI)が6月9日(日曜日)から14日(金曜日)にかけて、京都のリーガロイヤルホテルで開催された。VLSIは、ハワイと京都で隔年開催されるが、京都開催となる今回は、Short Course(659人)もTechnical Session(1244人)も、過去最高の出席者で大盛況となった。

 VLSIの出席者数の推移をみると、以下の特徴が見てとれる(図1)。

1)ハワイより京都開催の時の方が、出席者が多い
2)ハワイおよび京都開催ともに、Technical SessionとShort Courseの出席者が増大している

図1 VLSIのテクニカルセッションとショートコースの参加者数 出典:VLSI symposium事務局が配布した資料(クリックで拡大)

 1)については、京都開催では、日本をはじめ、台湾、韓国、中国など、近隣のアジア諸国から参加しやすいため、ハワイ開催より出席者数が多いと思われる。

 また、2)については、VLSIがCircuitとTechnologyのシンポジウムが同時開催されることに起因すると考えている。VLSIには、システム・回路設計者、デバイス・プロセス開発者が集まるのはもちろんのこと、装置メーカーや材料メーカーが情報収集のために相当数参加しているからだ。

 以上に加えて、ことし(2019年)のVLSIでは、新たな試みとして初日の日曜日に、Sunday Workshopが開催された(図2)。これも、出席者を増やすのに一役買ったと思われる。つまり、Sunday Workshopに人が集まり、それがShort Courseの出席者を増やし、結果的にTechnical Sessionの出席者も増大したのではないかと考えられる。

図2 VLSIシンポジウム2019のスケジュール 出典:VLSI symposium事務局が配布した資料などを基に筆者作成(クリックで拡大)

 本稿では、筆者が出席したSunday Workshop、Short Courseおよび、Technical Sessionの中のTechnology Evening Panel Discussionについて報告する。このPanel Discussionを取り上げるのは、ここで、今後の半導体業界の進む方向性が示された気がするからである。

初めて行われたSunday Workshop

 初日の6月9日(日)の19〜22時に、以下の3つのSunday Workshopが開催された。カッコ内は、VLSI事務局が発表した出席者数である。

  1. Impact of Atomic Layer Processing(ALP) and Selective Area Patterning on Device Fabrication and Performance(83人)
  2. Two Dimensional Materials and Applications(47人)
  3. Low Thermal Budget Dopant Activation for Sequential-3D Integration(61人)

 VLSIのChairなどは、果たして人が集まるか心配だった模様だが、日曜日の遅い時間にもかかわらず、3つのWorkshop合計で191人の出席者があった。筆者はWorkshop 1に参加したが、選択的原子層デポジション(ALD)やアトミックレイヤーエッチング(ALE)などALPに関する有益な情報が得られた。

 なお、Sunday Workshop1については、2018年のVLSI記者会見の席で、筆者が「プロセスの世界ではALDやALEが大ブームになっている。回路やデバイス設計の技術者にもALPを知ってもらって、それを基に新しいデバイスを設計して欲しい」と発言したことが発端となって企画された。筆者の提案を採用して頂いたVLSIのChairなどに感謝したい。

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