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» 2021年01月13日 10時00分 公開

日本での事業規模は2倍に、サイプレス買収でパワーアップした「新しいインフィニオン」を打ち出し飛躍を目指すインフィニオン テクノロジーズ ジャパン 社長 川崎郁也氏

インフィニオン テクノロジーズは2020年4月にサイプレス セミコンダクタを買収し、事業基盤を大幅に拡充した。世界トップクラスのシェアを誇る製品分野を数多く抱え、リアルとデジタルの世界をつなぐためのあらゆるデバイス製品を取りそろえるようになった。さらに、日本市場の売り上げ規模も2倍程度に拡大。「2021年は、(サイプレス買収で)大きく変わった新しいインフィニオンを強く打ち出していく」と語るインフィニオン テクノロジーズ ジャパン社長の川崎郁也氏に2021年事業戦略を聞いた。

[PR/EE Times Japan]
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半導体需要は日増しに回復

――2020年のビジネスを振り返っていただくとともに、新年、2021年の半導体市況の見通しについてお聞かせください。

川崎郁也氏 2020年は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響を受けて、4〜6月期は自動車向けを中心に半導体需要は落ち込み、収益率が悪化した。ただ、7月以降は徐々に需要は回復していき、7〜9月期の収益率はコロナ禍以前の水準にまで回復させることができた。

 半導体需要は日増しに回復、成長しており、足元の状況は過熱気味のようにも思えるほど、非常に強い勢いを感じている。今後のCOVID-19の影響を予測することは難しく不安は拭えないものの、現時点では、半導体業界にとって2021年は、リカバリー、回復の年になるとみている。

――市況の回復を予想される2021年の売上高目標、事業テーマについて教えてください。

川崎氏 売上高については(過去最高だった)2019年水準に少しでも近づけることが目標になるだろう。

 2020年4月のサイプレス セミコンダクタ買収に伴って、事業基盤が強化された“新しいインフィニオン テクノロジーズ”を強く打ち出し、より多くのユーザーに認知されるような取り組みに重点を置いていきたい。

より堅固になったリーディングプレーヤーとしての地位

――サイプレス買収の狙いや統合効果について、改めて教えてください。

川崎氏 サイプレスの買収により売り上げ規模は、世界の半導体メーカーの中で上位10社以内になり、メモリ専業やプロセッサ専業のメーカーを除いた総合半導体メーカーではトップクラスの売り上げ規模になった。

 同時に、世界トップクラスのシェアを誇る製品分野も従来のパワー半導体、MEMSマイク、セキュリティ関連ICのみならず、旧サイプレスが得意とするNOR型フラッシュメモリやUSBコントローラ、無線LAN用デバイスなどが加わった。特に車載用半導体については買収でトップシェアとなり、マイコンについてもシェアトップグループに肉薄する規模に達した。

インフィニオンは車載用半導体、パワー半導体、セキュリティIC、スタンドアロン型Wi-Fi IC、MEMSマイク、NOR型フラッシュなどの各製品分野で世界トップクラスのシェアを誇る

 このように事業規模が大きくなり、さまざまな製品/市場領域でシェアトップになるなど、半導体業界のリーディングプレーヤーとしての地位がより堅固になったという点が、統合効果の1つだ。

 また、インフィニオン、旧サイプレスで製品/事業の重複がなく補完関係にあることも特長。コロナ禍で特に重要性が増している「リアルとデジタル、現実と仮想空間をつなぎ合わせる」ということに必要なデバイスを全て取りそろえる半導体メーカーになったという点も大きな意味を持つと考えている。

――買収に伴い日本市場での事業規模も大きく拡大しました。

2020年9月期における地域別売上高

川崎氏 サイプレスは、富士通半導体事業部門の流れをくむ車載マイコン/アナログ半導体事業を持っていたこともあり、日本の売り上げ比率が比較的高かった。そのため、サイプレス買収でインフィニオンの日本市場での売り上げ規模はおおよそ2倍に拡大した。

 また従業員数は、日本に製品開発機能があることにより3倍に増え拠点数も11カ所を数えるまでになった。

 規模が大きくなり製品開発などの機能が増えたことで、お客さまへのサポート体制の一層の強化など、新たな取り組みを実施しやすい環境が整い、楽しみが増えた。

 また、売り上げ規模が大きくなったことでインフィニオン内での日本市場への期待がますます高まり、重要度が増している。そのため日本への投資は今後も強化され、より一層、充実したサポート、サービスを日本のお客さまに提供できるようになるだろう。

4つの事業に継続して注力

――サイプレスの買収に伴って、事業方針に変更はありますか。

川崎氏 基本的な事業方針は変わらない。従来同様、「セキュリティ&コネクティビティ」「オートモーティブ」「パワーマネジメント」「パワー半導体」の4つの事業領域に注力し、それぞれの事業を強化していく。

――各事業の取り組み、見通しについて教えてください。まず、セキュリティ&コネクティビティ事業についてご紹介ください。

川崎氏 セキュリティ&コネクティビティ事業は、4つの事業の中で最もサイプレスの買収によって強化された事業だ。

 従来のインフィニオンではセキュリティICのみだったが、サイプレスの買収に伴いWi-Fi、Bluetoothといったワイヤレスコネクティビティデバイスに、旧サイプレス独自のプログラマブルSoCデバイス「PSoC」も加わり、IoT(モノのインターネット)機器に必要なデバイスを全て網羅する製品がそろった。

サイプレス買収によりIoT機器に必要な製品を1社で供給できるようになった。

 プリンタやゲーム機などネットワークにつながる機器の需要は、特にコロナ禍で増加しており、そうした好調なアプリケーションに対して、インフィニオン、旧サイプレスの製品をセットにして提案、販売するクロスセリングを進めていく。

――オートモーティブ事業はいかがですか。

川崎氏 コロナ禍の影響で、2020年の売り上げこそ苦戦したものの、デザインイン活動に関してはとても好調だ。特に、マイコンでは「AURIXファミリ」が電動化、ADAS(先進運転支援システム)のニーズを的確に捉え、過去に類をみないほどの記録的なデザインイン件数を獲得している。

 この好調なAURIXファミリに旧サイプレスのボディ/シャシー向け製品がそろう「Traveoファミリ」などの車載マイコン製品が加わり、あらゆる車載アプリケーションに対応できる品ぞろえが整った。

自動車のあらゆるアプリケーションをカバーするインフィニオンの車載向け製品群

 さらに、NOR型フラッシュを中心にしたメモリ製品もマイコンとともに提案できる商材であり、クロスセルという相乗効果を生み出しやすいと考えている。

――パワーマネジメント事業、パワー半導体事業についてもご説明ください。

川崎氏 パワーマネジメント事業では、USB Type-C/USB PD(Power Delivery)コントローラICがサイプレス買収により加わり強化され、PCやPC周辺機器分野での一層のビジネス拡大を期待している。

 パワー半導体事業では、社内で「555(ゴーゴーゴー)ストラテジー」と呼んでいる5つのターゲット顧客グループと5つのターゲットアプリケーションを定め、5つの施策を通じて売り上げを上げていく日本独自の取り組みを継続して行い、着実な事業拡大を進めていく方針だ。

――サイプレス買収に伴う統合作業の進捗について教えてください。

川崎氏 組織的な統合に関してはすでに完了しており、互いの企業文化を理解するなど本質的な統合、交流を進めているところ。こうした交流を進めながら、相乗効果を発揮していきたい。

 期待される相乗効果としてはクロスセルがある。クロスセルを行いやすい30種ほどのアプリケーションを選定し、販促ツールを作成し、提案するプロジェクトが全社レベルで進んでいる。すでに6つのアプリケーションで販促ツールが整備され、提案活動を実施している。

 また日本ではクロスセル以前に、インフィニオン、サイプレスのどちらか一方しか接点を持っていなかったお客さまが少なからず存在しており、そうしたお客さまに対し、もう一方の商材を紹介するための接点作りを急いで進めていきたいと考えている。


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提供:インフィニオン テクノロジーズジャパン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EE Times Japan 編集部/掲載内容有効期限:2021年2月12日

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